浦和レッズレディース遠藤優の進化が止まらない!栗島朱里との好連係も必見

2024年4月26日(金)14時0分 FOOTBALL TRIBE

遠藤優 写真提供:WEリーグ

日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)所属の三菱重工浦和レッズレディースは4月25日、報道陣に向けチームトレーニングを公開。練習後には楠瀬直木監督をはじめとするコーチングスタッフ、及び各選手が囲み取材に応じた。


2023/24シーズンのWEリーグ全22節のうち17試合を消化し、首位に立っているレッズレディース。今回のメディアデー(公開練習)ではリーグ戦残り5試合にちなみ、「FINAL5 勝利を積み重ねてその先へ」というキャッチコピーが掲げられ、各選手がシーズン最終盤への意気込みや自身の伸び代などを語った。


ここでは、囲み取材に応じた同クラブMF遠藤優のコメントを紹介。そのうえで同選手の今季のプレイを解説していく。




栗島朱里 写真提供:WEリーグ

「朱里は気の利くプレイヤー」


基本布陣[4-2-3-1]の右サイドバックとして先発出場を重ねている遠藤。持ち前の快足は今季も健在で、直近のリーグ戦ではMF栗島朱里(2ボランチの一角)との連係も良好だ。


遠藤は囲み取材で筆者の質問に答え、自身が栗島に助けられている現状を明かしてくれた。


ー3月3日の第8節INAC神戸レオネッサ戦から、栗島選手が先発出場するようになりました。栗島選手のプレイ(立ち位置)によって、遠藤選手が高い位置へ上がれるようになった気がします。ご自身の感触はいかがでしょうか。


「朱里はすごく気の利くプレイヤーで、空いているところに入ってくれます(立ってくれます)。私の特長を最大限に活かしてくれるボランチの選手ですね」


ー4月14日のノジマステラ神奈川相模原戦(第14節)終了後、栗島選手にお話を伺いました。それによると、栗島選手がセンターバックとサイドバックの間へ降りたときに、遠藤選手の立ち位置が低い場面があったそうですね。こうした問題があり、「裏を狙えるときは行く(相手最終ラインの背後を狙えそうなら高い位置をとる)」と遠藤選手が栗島選手に声をかけたそうですが?


「そうですね。その試合の前半は攻め込まれるシーンがありましたし、誰も裏を狙わない(相手最終ラインの背後へ走らない)場面もありました。『私が裏を狙うから』と栗島選手に声をかけてからは良い流れ(攻撃)を作れたので、試合中に修正できたのは良かったです」




浦和vsマイナビ仙台、前半13分の大まかな隊形。カーラが栗島に釣り出されている

栗島とのホットラインで得点も


栗島がDF石川璃音(センターバック)と右サイドバック遠藤の間へ降りてボールを受け取り、これと同時に遠藤が高い位置へ上がるというのが、レッズレディースの攻撃パターンのひとつとなっている。前述のINAC神戸戦における同点ゴールは、この立ち位置をとった栗島を起点とするパスワークから生まれたものだった(得点者はFW清家貴子)。


3月20日に行われたWEリーグ第11節マイナビ仙台レディース戦でも、栗島が石川と遠藤の間へ降りゴールの起点に。両チーム無得点で迎えた前半13分、栗島が石川と遠藤の間へ降りたことで、守備隊形[4-4-2]のマイナビ仙台FWカーラ・バウティスタ(左サイドハーフ)が釣り出される。これにより開いた相手サイドハーフとサイドバックの間で遠藤がフリーになり、ドリブルでチャンスメイク。遠藤のパスを受けた清家がペナルティエリア右隅から強烈なシュートを放ち、レッズレディースに先制点をもたらした。


このゴールで勢いづいたレッズレディースは、最終スコア2-0でマイナビ仙台を退けている。今後も栗島と遠藤のホットラインから目が離せない。


遠藤優 写真提供:WEリーグ

実を結んだウエイトトレーニング


負傷離脱があった昨2022/23シーズンとは打って変わり、遠藤は今季フル出場を続けている。その秘訣も今回の囲み取材で明かしてくれた。


「昨年の3月末に怪我をしてしまい、そこから1か月半ほどプレイできませんでした。(復帰後も)なかなかコンディションが上がらずにシーズンが終わってしまったので、悔しかったですね」


「絶対に怪我をしない体作りをしようと、今シーズンは意識しました。ウエイトトレーニングもそうですし、トレーニングしたぶん(その後の)ケアも積み重ねています。今シーズンはその成果が出ていて、ほぼフル出場ですね。背筋を鍛えているので、大きい素振り(モーション)でなくてもスローインの飛距離がのびるようになりました」


「スローインについては清家選手や塩越(柚歩)選手とも話をしていて、縦が空いていたらそこへすぐ入れてほしい(清家や塩越の前へボールをスローインしてほしい)と言われています。それを意識したらゴールに結びつきましたね」


無駄のないモーションからのスローインは遠藤の武器のひとつであり、これが今季レッズレディースのチャンスに何度か繋がっている。このプレイも一見の価値ありだ。




遠藤優 写真提供:WEリーグ

自身が感じる伸び代は


囲み取材の終盤で、遠藤は自身の課題や伸び代を口に。また、自陣後方からのパス回し(ビルドアップ)で心がけている点にも言及した。


ー今季フル出場を重ねているうえ、プレイの幅も広がっています。なでしこジャパン(日本女子代表)入りも狙えそうですが、ご自身の手応えはいかがですか。


「周りからそういう声がちらほらありますけど、今の代表選手と比べるとまだまだだなと感じます。低い位置でのビルドアップ(自陣後方からの配球)があまり得意ではないので、そこで正確にパスを繋げるか、逆サイドへボールを展開できるかが課題のひとつですね。クロスの精度もまだまだなので、上げていきたいです」


ー低い位置(自陣後方)でボールを受けざるを得ないとき、タッチライン際ではなくその内側へ立とうとしている印象があります。内側に立ってパスコースを確保しようとしている感じがするのですが、この点は意識していますか。


「そうですね。低い位置のタッチライン際だと相手がディフェンスしやすいですし、そこへプレスをかけやすいです。ビルドアップに関わるときは内側に立って、外にも中にもパスコースを確保するようにしています」


WEリーグ屈指の快足MFは、今もなおレッズレディースのサイド攻撃を牽引している。さらなる成長に期待したい。

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