【高校野球】NPBスカウト注目の士別翔雲・大橋広翔投手が名寄地区から初の甲子園出場をたぐり寄せる
2025年4月26日(土)6時35分 スポーツ報知
名寄地区から初の甲子園出場を目指す士別翔雲・大橋広翔
全道10地区で唯一、春夏甲子園出場校が出ていない名寄地区にNPBスカウトも注目する逸材がいる。昨秋の全道大会に出場した士別翔雲の大橋広翔(3年)は、最速143キロの大型投手。2023年夏の北北海道大会準決勝で味わった悔しさを糧にエースに成長した右腕が、“甲子園未踏の地”から初の聖地出場をたぐり寄せる。
士別翔雲、そして名寄地区の悲願成就へ、大橋が高校野球最後の1年に臨む。プロ注目の右腕は「高校で1回もけがをせずに過ごせたオフは今回が初めて。順調にきているので、春、夏の大会が今から楽しみ。プロへの思いもあるけど、まずはチームが勝てる投球をしたい」と腕をまくった。
昨秋は、全道大会に出場するも1回戦で駒大苫小牧に1—2で惜敗。大橋は地区から計3戦18回2失点ながら、強豪撃破にあと一歩届かなかった。同戦でも終盤に足がつりかけるなどスタミナ不足を痛感。オフは1試合を投げ抜く体力強化に加え、キレや回転といった球質の向上に注力してきた。
家の朝食でどんぶり茶碗1杯を食べ、登校後にも400グラムの白米を平らげる“朝活”を昨年11月ごろからチームで始めた。チーム全体でも弱点だった朝食の量を増やし、体重は6キロ増加。これまで、けがなどで取り組めなかった重い重量で行う筋トレも高校では初めて取り入れ、土台を固めていった。成果は3月の関東遠征で表れ、春夏通算4度の甲子園出場を誇る茨城の強豪・霞ケ浦戦に登板し5回無失点。「ストレートの質はだいぶ上がってきている」とうなずく。
中学時代には「ライバル」と意識する札幌日大のプロ注目右腕・窪田洋祐投手(3年)とともにU14北海道選抜でプレー。道内10校前後の私立校から誘いを受けたが、「名寄(地区)から甲子園第1号になるのが子どものころからの夢」と地元に残った。
同校が甲子園に最も近づいた1年夏には、北大会準決勝・旭川明成戦に2番手で登板。2/3回3失点と苦汁をなめており、「忘れ物を取り返すという気持ちで、(準決勝、決勝が実施される)エスコンで2勝して甲子園にいく」。高い潜在能力を秘めた右腕は、勝負の夏に向けて一歩ずつ歩みを進めていく。(島山 知房)
◆大橋 広翔(おおはし・ひろと)2007年7月18日、士別市出身。17歳。士別小2年時に士別九十九少年団で野球を始める。士別中では軟式野球部に所属し、U14北海道選抜に選出された。士別翔雲では1年春の地区予選で初めてベンチ入り。182センチ、84キロ。右投右打。家族は両親と姉、兄。好きなプロ野球選手は日本ハム・レイエス。