腰の疲労骨折を乗り越えた都玲華が史上6人目アマV プロテスト3度失敗も「無駄じゃなかった」 

2024年4月27日(土)19時28分 ALBA Net

猛追を振り切った都玲華。20歳の大器が快挙を成し遂げた(撮影:GettyImages)

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<大王海運レディス 最終日◇27日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6540ヤード・パー72>

霧の中でも優勝につながる道に迷うことはなかった。単独首位から出て、7バーディ・2ボギーの「67」と伸ばした都玲華(みやこ・れいか)がトータル16アンダーでステップ・アップ・ツアー史上6人目のアマチュアVを達成した。


スタート前のリードは『2打』から『1打』に減ったが、トップで18番グリーンに帰って来た。決めれば優勝の1メートルのパーパット。微妙な距離も「下りのスライスは嫌いじゃない。ドキドキはしたけど、外す気はしなかった」と自信を持ってカップに沈めた。

「優勝できてすごくうれしい。少しホッとしています。やっと3日間が終わったなぁと思いました」

視界を遮る濃い霧に何度もプレーは止まった。6番パー4はティイングエリアで5分、セカンド地点で15分以上も待たされた。10番パー4はプロ2人が先にティショットを打った直後に霧でホワイトアウト状態。20分ほど待たされた。前半は1つ伸ばしただけで、猛追してきた稲垣那奈子に並ばれての折り返し。待たされることで、心の中にも、もやもやとした霧が立ち込めるような状況だったが、都にとっては感謝すべき自然現象だった。

「パー5の5番で短いパットを外していたので、気持ちをリセットできた。10番もその前の9番がボギーだったので、切り替える時間ができた。プロは打っていたし、自分も打たなきゃとも考えたけど、あのまま打っていたら絶対にミスしていたと思う。いいタイミングで霧が出てくれました」

10番で待たされている間に、首位の座を稲垣に奪われた。「ボードがあるところでは、がっつり見て、弱気にならないようにと自分にカツを入れていた」と状況をしっかり確認し、残り40ヤードの3打目をピンそば1メートルにつけた11番パー5から3連続バーディ。9番アイアンでピン手前1メートルにつけた12番パー3で単独首位の座を奪い返した。

「遠回りはしているけど、この時間は絶対に無駄ではないと思う。プロの大会に出させていただき、優勝までできた。こんな大きな大会で勝ったのは初めてで、すごく自信になりました。この経験をこれからのゴルフ人生に生かしていきたいです」

昨年4勝を挙げた桜井心那、今季絶好調の竹田麗央らと同じ2003年度生まれのダイヤモンド世代。仲間たちの多くが21年のプロテストに一発合格するなか、都は昨年まで3度連続で失敗した。最初の挑戦だった21年には、2次予選の直前に第四腰椎の疲労骨折が判明。強行出場して何とか進んだ最終プロテストは途中棄権を余儀なくされた。

「完治まで1年半以上かかりました。最初の3カ月はコルセットをつけて、クラブはずっと握れなかった。リハビリをして、トレーニングして、もう二度とならないようにしっかりケアをしています。それも含めて今までの時間は無駄じゃない。少しは成長していると思う。これでコースで同い年のプロに会っても話しかけられるかな」

今回の優勝で今年のプロテストは2次までが免除され、11月の最終からとなる。5月には「リゾートトラスト レディス」、7月には「大東建託・いい部屋ネットレディス」のレギュラーツアー2試合に出場予定。そこで勝てば、プロテストを待たずに正会員になれる。

「今週はメンタルも、技術面も課題を持って臨んだことがしっかりできた。新たな自分を見つけることができました」。3日間のパーオン率は87.04%(47/54)で堂々の1位。技術はプロと比べても遜色はなく、7社とスポンサー契約を結ぶなど注目度はプロ級だ。でっかい勲章を手に入れた20歳のアマチュアが、ここからギアをさらに上げていく。(文・臼杵孝志)


<ゴルフ情報ALBA Net>

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