F1テスト短縮の影響で苦戦する移籍組「今の僕は本来のレベルに達していない」とアロンソ

2021年4月27日(火)14時43分 AUTOSPORT web

 フェルナンド・アロンソ、ダニエル・リカルド、セバスチャン・ベッテル、セルジオ・ペレス、カルロス・サインツJr.は全員が経験豊富で才能あるドライバーだ。しかし彼らは他にも共通点がある。新たに加入したチームでマシンをうまく扱うための経験が足りないために、本来の力を発揮しきれていないことだ。


 アロンソは2年のブランクを経て新たにアルピーヌと契約してF1に復帰、他の4人は昨年末でチームを移籍した。今年はプレシーズンテストが3日間しか設けられておらず、ひとりに1日半分の走行時間しか与えられなかった。


 いかにこの5人が優れたドライバーであっても、新しいマシンとチームに適応するには時間がかかる。


「僕たちはそれぞれに異なる状況とテーマ、異なる困難を抱えていると思う」とアロンソは語った。


「これまで僕は何度もチームを変わっているし、それどころかカテゴリー自体を何度も変えている。そういう場合は、必ず適応までの期間を経るものだ。とはいえ、それを言い訳にしたことはないし、今も言い訳にはしていない」


「自分はもっと優れたパフォーマンスを発揮すべきだと思っている。イタリア(イモラ)では適切なレベルに達していなかった。でもポルトガルではうまくやれるだろう」

2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)


 リカルドの場合、チームメイトのランド・ノリスは今年マクラーレンでの3年目を迎えるため、現時点でノリスの方が速いのは驚くことではない。


「数カ月たって、シーズン序盤のことは振り返りたくもない、などとは思わないだろう」とリカルドは言う。


「最初の2戦ではいいペースを見せられなかった。もちろん、今の時点でもっとうまく走れるならその方がいい。でも、まだたくさんのレースが残っている」

2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP ダニエル・リカルド(マクラーレン)

 2020年はリカルドにとってルノーでの2年目のシーズンだった。チームメイトのエステバン・オコンは1年F1から離れていたが2020年に復帰。慣れるのに時間を要し、なかなかリカルドに追いつけなかった。


「彼が速いドライバーであることは誰もが知っている」とリカルドは語った。「でも去年の予選では苦労し、ほとんどの場合、僕と同等の速さを発揮することができなかった。このことは、僕が1年長くルノーのマシンに乗っていたことに利点があったことを示している」


「マクラーレンでの僕も、それと同じだ。僕は打ち負かされているわけではない。ランドがイモラで表彰台を獲得したことには励まされたよ」


■「ベッテルが事前走行を十分できていれば状況は全く違った」とチーム代表


 アストンマーティンのランス・ストロールは、ベッテルに比べて経験ははるかに少ない。しかしこの2戦に関しては、ベッテルよりもストロールの方が速い。


 アストンマーティンF1チーム代表のオットマー・サフナウアーは、ベッテルについて「彼は問題ないと思う」と語った。

2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)

「彼は自分に非常に高い期待をかけている。より優れたドライバーとなり、早く学ぶために、たゆまぬ努力を重ねていくだろう」


「自分を責めたりはしていない。多少の苛立ちを覚えるかもしれないが、早くなじもうという決意をさらに固めて取り組んでいくはずだ」


 プレシーズンテストではトラブルに見舞われたため、ベッテルは1日半の走行時間をフルに活用することができなかった。


「何より悔いが残るのは、冬の間に十分な信頼性がなかったことだ」とサフナウアーは言う。
「セブは持ち時間の1日半のうちかなりの時間を失った。もっとテスト時間があり、セブを走らせることができていたら、彼は学習曲線の異なる位置にいただろう」


 2021年シーズンが進むにつれて、彼らは経験を積み重ねていき、パフォーマンスを向上させていくだろう。そのころ、それぞれのチームメイトとの序列がどうなるのか、非常に興味深い。

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