今季初勝利に王手。トヨタのロバンペラ、6連続ステージウインでリード拡大/WRCカナリアス
2025年4月27日(日)9時7分 AUTOSPORT web

4月26日、スペインのカナリア諸島に属するグラン・カナリア島にて、2025年WRC世界ラリー選手権の第4戦『ラリー・イスラス・カナリアス』のデイ2が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位をキープしている。TGR-WRTのレギュラードライバーである勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合4番手にポジションを上げた。
WRC初開催となっている『ラリー・イスラス・カナリアス』は、競技二日目を迎えた。グラン・カナリア島の生活道路と峠道のターマック(舗装路)を舞台としたラリーでは、この日もトヨタ勢が好調を見せた。
全7本で行われたデイ2は、デイ1と近い20度前後の気温で、おおむねドライコンディションで実施。しかし峠においては、所々で雲が発生している部分もあり、付近の路面は湿っていたり、視界が悪かったりする状況も見られた。
デイ2のスペシャルステージ(SS)は、デイ1とくらべて摩擦の高い路面となっていたため、グリップ感の異なる状況となった。ただ、そのなかでもトヨタ勢の速さは衰えることなく、7本のSSすべてでトヨタGRヤリス・ラリー1がステージウインを記録。
とくに峠道をメインに走るSS7〜12ではロバンペラが速さを披露し、総合首位のリードをさらに広げた。そして、デイ2最後にSS13として行われた、バスケットコートを舞台としたスーパーSSではエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)がトップタイムをマークし、この日もトヨタ勢がライバルを圧倒する結果となった。
総合順位では、ロバンペラが首位をキープし、45.2秒差の2番手にはセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)、トップと1分08.1秒差の3番手にはエバンスがつけている。
一方、5〜7番手につけるヒョンデ・シェル・モービスWRTの3台は、この日もトヨタ勢の後塵を拝するかたちとなった。エースのティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)は、「まだバランスとグリップの低さに苦しんでいるが、正直に言うとできることはあまりない。今週末は、他に使えるディファレンシャルギヤの持ち合わせがないので、もはやどんなセッティングでも変わらないようなものだ」と、スピード改善の限界を示唆するコメントを残している。
こうしたなかでも、上位ではクラッシュによるリタイアもあり、総合4番手を走っていたサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、SS12にてオーバースピードによりコーナー出口のガードレールにクラッシュ。ここでデイリタイアとなってしまった。
他にも、SS11では総合9番手につけていたグレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1)が、コーナーでのアンダーステアから路肩にコースオフした。ここは、“妖精”の助けもあってコースに復帰することができたが、3分以上のロスとなった。
また日本人ラリードライバーの勝田は、チームのマニュファクチャラー登録とは異なる4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1でラリーに参戦しており、この日はパヤリのクラッシュの影響もあって総合4番手へポジションを上げた。デイ1では、マシンフィーリングに悩んでいる様子で5〜7番手タイムに落ち着いていたが、デイ2ではペースを上げてトップ5に入るタイムを多くマークしている。
総合優勝の決まるデイ3は、SS14からSS18までの全5本が実施される予定。また最終日は、この日のみの総合順位でボーナスポイントを争う“スーパーサンデー”も注目の争いとなる。デイ3のSS総距離は58.38kmとなる予定だ。