日本球界にも広がり始めた魚雷バットの波 プロだけではなくアマチュアにも波及
2025年4月27日(日)13時30分 ココカラネクスト

阪神の大山や西武の中村らが魚雷バットを使用している(C)産経新聞社
魚雷旋風が日本球界でも吹き荒れるか。阪神は4月26日、巨人に6−2で競り勝ち、今季初の6連勝を飾った。ゴールデンウイーク初日で今季最多の4万2631人で埋まった甲子園球場。お立ち台に上がった決勝打の大山悠輔が、前日から使い始めたのが、独特の形状からメジャーリーグなどで話題となっていた「魚雷バット」だった。
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この日がプロ通算1000試合目の出場だった。お立ち台では「僕一人の力じゃ無理でした。たくさんの方の支えがあって、ここまで来られた。全ての方に感謝したい」とまずは御礼を述べた。2日連続の決勝打となったが「僕の1本も、その後の得点も、チーム全員お流れで取った得点。本当はこのお立ち台にも僕だけでなく、チーム全員で上がりたいぐらいに思います」と殊勝に話していた。
同点の8回、1死二塁で前を打つ佐藤輝明が申告敬遠で歩かされ、絶好の勝ち越し機に打席に向かった。カウント0−1から、田中瑛斗が内角を狙ってきた149キロのシュートを、なぎ払うように振り抜いた。左翼線への勝ち越し二塁打。その後も3点が加わり、試合を決定づけた。
魚雷バットは先端が細くなり、バットの最も厚い部分が手元寄りにある。その分、バランスが手元に移り、人によってはスイングスピードが向上。また、いわゆるバットの芯も、手元寄りに移るという。いわゆる「詰まらされる」ことが多い打者への手助けとして、開発元とされるヤンキースなどで大流行。この日の内角を豪快にさばいた大山の打撃は、まさに魚雷バットの賜物とも言えた。
この日は東京六大学野球でも初めて魚雷バットを握る選手が現れた。早稲田大の小沢周平で、7回に左翼線へ適時二塁打を放った。早稲田大では重さが10グラム単位で異なる複数の魚雷バットを用意。選手たちに試させ、感触が良ければそのまま試合でも打たせていく方針だという。
日本のプロ野球では18日に西武の源田壮亮が初めて魚雷バットを握ってプレーした。その後、オリックスの福田周平や、現役最多の通算478本塁打を誇る西武のおかわり君こと中村剛也らも魚雷バットを手に打席に立った。24日には東京六大学野球に先駆けて、東都大学野球の国学院大の複数の選手たちが、魚雷バットで試合に臨んでいた。
プロ、アマ問わず、その波は確実に日本球界に広がりつつある。今後は社会人や高校野球で使用されるケースも予想される。メジャーで生まれた新兵器は、革命を起こすのか。今後の選手たちの対応に注目だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]