16勝目をあげたロバンペラ、サインツとオジエを抜いてトヨタでの最多勝記録を更新/WRC第4戦
2025年4月28日(月)13時11分 AUTOSPORT web

4月27日(日)、2025年WRC世界ラリー選手権の第4戦『ラリー・イスラス・カナリアス』の最終日デイ3がスペインのカナリア諸島、グラン・カナリア島のラス・パルマスを起点に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1/69号車)が優勝を飾った。
さらにセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合2位、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位となり、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)も総合4位に続いたことで、TGR-WRTは1-2-3-4フィニッシュを達成した。
ラリー・イスラス・カナリアスの最終日デイ3は、島の南側エリアで2本のステージを各2回走行。その間にはレーシングカート・サーキットでのスーパーSSが1本行われ、5本合計58.38kmのステージでタイムが競われた。島南側のステージは早朝から好天に恵まれて青空が広がり、路面はドライ。ラリー最終日にふさわしい、素晴らしいステージコンディションとなった。
デイ1の全6ステージを制し、デイ2でも6本のベストタイムを刻み首位を独走していたロバンペラは、最終日の朝もライバルを圧倒するハイペースで走行。2本の山岳ステージで連続ベストタイムを刻み、総合2番手のオジエとの差を51.1秒に拡げた。
続く、1.5kmのレーシングカート・サーキットでのスーパーSS、SS16ではオジエが今大会初のベストタイムを他のふたりのドライバーと分け合い、ロバンペラは0.6秒差の9番手タイム。オジエはSS17も制し、両者のタイム差は49.5秒となった。
そして迎えた、ボーナスポイントがかかる最終パワーステージ、SS18ではロバンペラが今大会15本目となるベストタイムを記録。2番手タイムのオジエに4.0秒という大差をつける圧巻の走りでパワーステージを制し、今シーズン初の優勝に華を添えた。
彼のWRCでの優勝は昨年9月のラリー・チリ・ビオビオ以来となり通算16勝目。これまでトヨタのドライバーとしての優勝回数では15回でカルロス・サインツ、オジエと並んでいたが、今回の勝利により単独トップとなった。
さらに、この勝利でTGR-WRTは開幕から4連勝を達成。オジエが総合2位、エバンスが総合3位でフィニッシュしたことにより表彰台を独占し、さらに勝田が総合4位に入ったことで2023年のサファリ・ラリー・ケニア以来となる、1-2-3-4フィニッシュを飾った。
また、日曜日だけのタイムで競われる“スーパーサンデー”と、最終パワーステージも制したことで、ロバンペラはパーフェクトウインを達成。ドライバー選手権ランキングでは、第3戦終了時点での5位タイから、2位へと大きく順位を上げ、選手権首位の座を守ったエバンスとの差を43ポイントに縮めた。
また、オジエは総合2位、スーパーサンデー2位、パワーステージ2番手タイムと、ロバンペラに次ぐ好結果を残し、チームの最大マニュファクチャラーズポイント獲得にも大きく貢献した。そしてエバンスは開幕4戦で、2回の優勝を含む4度のポディウムを獲得。今回も総合3位、スーパーサンデー3位、パワーステージ3番手タイムと、安定した速さでラリーを走り切り、確実にポイントを積み重ねた。
TGR-WRTとしては、総合順位、スーパーサンデー、パワーステージのすべてで獲得可能な最大ポイントである60ポイントを加算することに成功。マニュファクチャラー選手権首位の座を守り、2位ヒョンデ・シェル・モービスWRTとの差を51ポイントとし、さらに拡大した。
完勝をあげたTGR-WRTのユハ・カンクネンチーム代表代行は、「このような結果はめったにないことなので、本当に嬉しく思う」と喜びを語っている。
「チーム全員の努力のおかげで、テストからセッティングまですべてが順調に進み、ドライバーたちがこのコースで完璧に操ることができるようなクルマに仕上がった」
「カッレ(・ロバンペラ)のスピードは非常に素晴らしく、10点満点のドライブだった。彼はとてもリラックスしてクリーンな走りを続け、この週末を完全に支配下に置いた。私にとって彼のパフォーマンスは驚きではない。彼はトップギヤに入ると本当に速い走りをする、スピードボーイだからね」
「さらに彼だけでなく、今回はチーム全員が素晴らしい走りを見せてくれた。セブ(セバスチャン・オジエの愛称)は今年2戦に出場して1位と2位を獲得し、エルフィン(・エバンス)も引き続き素晴らしい仕事を続け、(勝田)貴元もこのラリーでの走りは本当に良かったと思う」
「今シーズンはまだ多くのラリーが残っており、競争はさらに激しくなると予想されるが、私はチームの仕事に自信を持っているよ」
2025年WRCの次戦は、第5戦『ラリー・ポルトガル』。グラベル(未舗装路)の山岳地帯を舞台に、回り込むコーナーと大きなアップダウンが特徴的なSSを走る伝統の一戦だ。第5戦は5月15日(木)から18日(日)にかけて開催される予定だ。