合言葉は「松山の登板過多を回避せよ!」 中日、序盤のヤマ場・9連戦の展望
2025年4月28日(月)16時10分 ココカラネクスト

奮闘している松山を休ませながら勝利を掴む展開に持ち込みたいところだ(C)産経新聞社
ペナントレースの最初のヤマ場になりそうだ。世の中がゴールデンウィークに入り、セ・リーグ各球団は4月29日から9連戦に臨む。
中日は3つの負け越し、首位と4.5ゲーム差の4位タイで9連戦に突入。一つでも多くの試合をモノにするため、どういった戦略が必要か。そしてキーマンは誰になるか。少し考察してみたい。
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■「セーブ数がチームの勝利数と同じ」
井上一樹監督1年目の今季、ここまでは「厳しいなりによくやっている」という印象だ。
若きエース・高橋宏斗の不調に、新助っ人カイル・マラーも背信投球を連発。4番抜擢の石川昂弥が大不振で、頼みの細川成也も全く打てず。さらに、固定を考えていた福永裕基&村松開人の二遊間が揃って故障離脱と、当初の目論見とは大きく異なっている。
それでも3つの負け越しにとどまっているのは、リリーフ陣の頑張りに他ならない。救援防御率は阪神に次ぐ2位(1.95)。勝ちパターンで投げられる投手を4〜5人擁しており、層の厚さを十分に示している。
特に9回を任されている松山晋也は、セーブ数がチームの勝利数と同じ9個でリーグトップタイの数字を誇る。デビューからの被本塁打ゼロ記録は100イニングを超えており、おそらくNPB記録を更新中。昨季までクローザーを務めていたライデル・マルティネス(巨人)の穴を感じさせない働きだ。
一方で「セーブ数がチームの勝利数と同じ」ということは、中日は松山が僅差で出て締める試合でしか勝てていない。このままだと仮に9連勝をしても松山が9戦連続セーブを挙げる展開になってしまう。全ての試合で勝ちに行くことを前提にしつつ、松山の登板過多を回避できるような展開に持っていきたい。
■打線のキーマンは4番・細川
そのためには「先発陣の踏ん張り」と「打線の奮起」が不可欠だ。
現状の先発陣は松葉貴大が最も頼りになる存在で、26日のヤクルト戦では9回途中までの熱投を見せている。マラーと柳裕也は抹消中だが、できるだけ最短で戻って2カード目のマツダスタジアム(広島戦)か3カード目のバンテリンドームナゴヤ(DeNA戦)で奮投してもらいたい。もちろん、高橋宏は言わずもがなだ。
1カード目の阪神戦(バンテリンD)ではファームで調整を続ける大野雄大、涌井秀章、三浦瑞樹の先発が予想される。彼らにも試合を作ってもらいたい。そして、9連戦中のデビューが噂される金丸夢斗には、文字通り「夢」のような投球をファンに見せてくれればと思う。
他方、打線はチーム打率(.206)と得点(46)がともに12球団ワーストと、今季も火力不足に苦しんでいる。
キーマンを挙げるとするなら、4番に座る細川だろうか。開幕から打撃フォームが崩れ気味で、ここまで本塁打はわずか1本。打席内でボールを十分に呼びこめていない印象を受ける。
ただ、27日のヤクルト戦で19打席ぶりに安打を放ち、底は脱したように思える。脇を固める上林誠知や中田翔、ジェイソン・ボスラーは比較的好調で、1番の岡林勇希も出塁機会が増加の傾向。細川が結果を残せば打線が一本の線になるはずだ。
合言葉は「松山の登板過多を回避せよ!」。チームの底力が試される時がやってきた。
[文:尾張はじめ]