【ACL決勝】浦和レッズが対戦するアル・ヒラルの要注意選手3選
2023年4月28日(金)14時0分 FOOTBALL TRIBE
2007年、2017年に続く3度目のアジア王者を目指し、浦和レッズがAFCチャンピオンズリーグ2022(ACL)決勝に挑む。相手は同大会で最多優勝を誇り、前回大会も制したサウジアラビアの強豪アル・ヒラルだ。第1戦は4月30日に敵地「キング・ファハド国際スタジアム」で、続いて5月6日にホーム「埼玉スタジアム2002」で雌雄を決する。
奇しくも2019年の浦和準優勝時のACL決勝と同じ組み合わせとなった。浦和としてはリベンジと、2017年の再現を果たしたいところだ。ここでは、決勝戦で浦和に牙を剥くアル・ヒラルの要注意選手たちを3名紹介していく。過去のチームに負けず劣らず、浦和にとって危険な選手が揃っている。
サーレム・アッ=ドーサリー(サウジアラビア)
負傷により戦列を離れていたサウジアラビア代表の背番号「10」MFサーレム・アッ=ドーサリーの復帰は、浦和にとっては凶報と言わざるを得ない。3月29日にサウジアラビア代表はボリビア代表との親善試合に臨み1-2で敗れた。この試合で唯一の得点を挙げたアッ=ドーサリーは、残念ながら負傷によって途中交代を余儀なくされていた。
しかし、ACL決勝を目前に控えアル・ヒラルの戦列に復帰。4月19日に行われたリーグ戦(サウジ・プロフェッショナルリーグ)アル・ナスルとの試合で途中出場を果たしている。また、直近の4月24日に行われたサウジ国王杯にも途中出場しており、徐々に調子が上向いていることも十分に予想できる。
アッ=ドーサリーと言えば、2022年に開催されたFIFAワールドカップカタール(カタールW杯)においてもサウジアラビア代表の一員として出場。グループCの初戦において、結果的に同大会で優勝したアルゼンチンに大会唯一の黒星を与えることとなる逆転ゴールを挙げた選手としても記憶に新しい(2-1でサウジ勝利)。
高い技術を誇り、ゴール前でもプレーの選択を冷静に判断できることが大きな持ち味。ACL2022においてもその活躍ぶりは変わらず、カタールW杯後に行われたACLベスト16以降の3試合では1ゴール3アシストと攻撃のタクトを存分に振るっている。怪我明け間もないことから、90分間プレーできる状態かどうかは不明だ。しかし、仮に途中出場からであっても流れを変える存在として、何より決定的な場面を作り出せる存在として、浦和の脅威であることは変わりないと言えよう。
オディオン・イガロ(ナイジェリア)
自国ナイジェリアのクラブでキャリアをスタートさせ、セリエA(イタリア)ラ・リーガ(スペイン)プレミアリーグ(イングランド)と欧州主要リーグのクラブでも経験を積んだ元ナイジェリア代表のFWオディオン・イガロも、浦和にとっては間違いなく要注意選手と言えよう。2022/23シーズンここまでのサウジ・プロフェッショナルリーグでは、22試合に出場し18得点と脅威の得点力を誇り、リーグ内の得点ランキングで1位を走っている。
ACLにおいては、何といっても2月27日に行われた準決勝での活躍が思い出される。かつてJリーグの柏レイソルでも活躍し、圧倒的な身体能力でゴールを量産したFWマイケル・オルンガ擁するアル・ドゥハイル(カタール)と対戦したアル・ヒラルは、大量7得点を奪って大勝。そのうち4点を挙げる活躍を見せたのがイガロであった。この活躍により、ACLにおいても得点ランキング2位と好順位につけている。
他のランキング上位選手が軒並み敗退チームであり、1位の選手との差もわずかに「1」であることから、決勝での得点にかける意欲も人一倍高いことが容易に想像できる。過去欧州クラブでは、持ち前の得点力を発揮できないシーズンも確かにあったが、活躍の場をアジアへ移してからは中国時代(2017-2021)も含めて得点を量産しており、まさに攻撃の大黒柱としての役割を果たしている。
浦和にはDFアレクサンダー・ショルツをはじめ、屈強なディフェンス陣が揃う。2023シーズンのJ1リーグでもここまで失点は「8」と、失点数は少なく堅守も売りの1つであると言えよう。しかし、自国リーグやACLでイガロが見せている得点力の高さが脅威であることに違いはない。反対に、イガロを防ぎきることで浦和が優勝に大きく近づけるとも言える。浦和ディフェンス陣の局面ごとの対応にも注目だ。
モハメド・カンノ(サウジアラビア)
中盤中央、まさにアル・ヒラルの心臓部を務めるMFモハメド・カンノも要注意選手の1人に挙げられる。192cmの高身長を誇り、高い身体能力を武器とするプレースタイルから、フランス代表の主力選手を指して「サウジアラビアのポール・ポグバ」とも称される選手だ。
MFグスタボ・クエジャールやMFサルマーン・アル=ファラジュらと、チーム内で激しいポジション争いを強いられているカンノ。しかし、今ACLにおいては決勝トーナメントの全試合にスタメン出場を果たしており、決勝進出に大きく貢献している。サウジアラビア代表としてはカタールW杯でも全試合にスタメンフル出場を果たし、グループリーグ突破こそ叶わなかったが優勝したアルゼンチンを撃破するなど躍進を遂げる立役者となった。
攻守のバランサーとしての仕事ぶりはもちろん展開力もあることから、浦和にとってはカンノにいかに時間を与えないかも重要だ。また、その高さからセットプレー時にはターゲットとしても優秀であり、ピッチ上にいる間はいかなる状況であっても目を離してはいけない存在であることは間違いない。浦和にも、中央にはカンノと同じく高身長が魅力のMF伊藤敦樹(185cm)がいる。要注意選手である一方で、伊藤とのマッチアップにも注目だ。