「頼れる柱は山本ただ一人」グラスノー離脱で深刻化するド軍の“投壊”の可能性に米懸念「自慢の投手陣が危うい」
2025年4月29日(火)17時0分 ココカラネクスト

ドジャース投手陣で唯一と言っていい安定感を誇っている今季の山本。(C)Getty Images
「全体的な身体の痛みがある。まだ故障者(IL)入りさせるか決めていないが、医師の診断を待っているところ。そうなる可能性の方が高い」
現地時間4月28日のマーリンズ戦を前に、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、27日のパイレーツ戦で「右肩の違和感」を訴えたタイラー・グラスノーの現況をそう語った。IL入りをするか否かはドクターのオピニオンを待つと言う状況だが、31歳の怪腕が即座に戦線復帰が見込める状況ではなくなったのは間違いない。
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オフに2度のサイ・ヤング賞受賞左腕ブレイク・スネルや、守護神タナー・スコットを補填したドジャース。開幕時には最強投手陣を完成させ、ライバルたちを戦々恐々とさせた。しかし、蓋を開けてみれば、23年9月以来の復帰を目指している大谷翔平を含めて、スネル、グラスノー、クレイトン・カーショウ、マイケル・コペックなど故障者が噴出。戦力がまともに整わない状況に陥っている。
ワールドシリーズ連覇が有力視されていたタレント軍団の緊急事態に、波紋は広まっている。米紙『San Francisco Chronicle』は「ドジャース自慢の投手陣が危ういのではないかと推測したが、それは現実となった」と強調。「先発ローテーションの頼れる柱と言えるのはヨシノブ・ヤマモトただ1人だ。彼らと比較すると、ジャイアンツは明らかに優位に立っており、彼らにはない安定感を誇っている」と、ナショナル・リーグ西地区首位に立つ贔屓球団の優位性を伝えた。
グラスノーとスネルの長期離脱が見込まれた現状で、チームのコアとして計算が立つのは山本ただ一人と言っても過言ではない。佐々木朗希とダスティン・メイはいずれも故障のリスクを抱えており、安定感には欠ける。
トレード補強を含めたテコ入れが必須となっているドジャース投手陣には、米記者も懸念を示す。米スポーツ専門局『ESPN』のエルデン・ゴンザレス氏は「ドジャースは投手陣が不足しているため、どこかでブルペンゲームを実施せざるを得ない」と切迫する台所事情を嘆くようにリポートした。
「グラスノーとスネルは今後の復帰時期すらも不透明だ。カーショウは5月末までに復帰する可能性は残っているが、ショウヘイ・オオタニはオールスターブレイク後まで二刀流選手として起用されない可能性が高い。
そうなると、ヨシノブ・ヤマモトとロウキ・ササキは、これまでの週1回の登板スケジュールを一時的に変更し、アメリカの伝統的な中4日制を強いられるかもしれない。ただ、ドジャースのアクティブロースターに先発投手は4人しかいない」
レギュラーシーズンの序盤に舞い込んだ危機。この状況でロバーツ監督をはじめとする首脳陣はいかにしてチームを操舵するのか。その手腕は実に興味深いところである。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]