「ワシの球速180km」金田正一氏、最もワシに近い存在は菅野

4月29日(月)16時0分 NEWSポストセブン

「180kmは出ていたからな」と語る金田氏

写真を拡大

 400勝投手・金田正一氏(85)は、4490奪三振、365完投、14年連続20勝などの記録を持つ“レジェンド・オブ・レジェンド”。「ワシの現役時代は180kmは出ていたからな。スピードで勝る選手なんておらんが、強いて言えば……」そう名を挙げた後継者候補にも、“カネやん節”がビシ!バシ!響く。


 * * *

 ワシの眼鏡にかなうピッチャー? 最近は記録どころか、記憶にも残らない選手ばかりだからな。逆立ちをしても無理だよ。


 諸悪の根源は、先発、中継ぎ、抑えと分業制が確立されたことに尽きる。なぜワシが400勝できたかというと、後ろのピッチャーなんて信用しなかったからじゃよ。


 そんな分業制の中で、ここ数年、先発完投を増やしている菅野(智之、29)。今の球界で最もワシに近い存在は、強いて言えば菅野だろうな。最後まで誰にもマウンドをゆずらんという気概があると感じるのよ。


 技術面では、昨年から左バッターに投げ始めた、外角からストライクゾーンに入るスライダー。あれに手を出せるバッターはそうそうおらん。その点で菅野に勝るピッチャーは他に見当たらんね。狙ったところに投げる能力は、ワシより上だと思うことすらあるよ。


 じゃが、菅野はコントロールを駆使して抑えるが、ワシの場合はド真ん中に投げたって打たれなかった。水面に投げた石がぽんぽん跳ねるようなイメージで、空気を滑って伸びたからな。ど真ん中に投げたストレートが高めにググーッとホップして5㎝外れたボールだと言われて、審判と大喧嘩になって退場を喰らわされたこともあった。あんな球を投げられるピッチャーは二度と出てこんよ。加えて引力を利用してストンと落ちるカーブもあったから、どんなバッターもワシには手も足も出んかった。


 大谷(翔平・24)の速球は魅力があるが、バットに当てられるのは、スピードの割に馬力が伴っていないからじゃ。排気量の大きなエンジンがないのに、200kmで走っている自動車みたいなもので、手が先行しているから無理を起こして故障してしまう。


 ただボールの速さや変化球のキレ以上にマウンド度胸や闘争心も重要じゃ。バッターに遠慮せず、インコースを厳しく攻める闘争心があるのは、ドジャースの前田(健太・31)。あとはケガで離脱しているが楽天の則本(昂大・28)くらいか。ピッチャーに闘争心がなかったら終わりじゃよ。


 ピッチャーだからいい日もあれば悪い日もあったが、ワシはここ一番では絶対に打たれなかった。人の手助けなしで投げ切るようなたくましい投手が、ワシの後継者にふさわしい。


※週刊ポスト2019年5月3・10日号

NEWSポストセブン

「金田正一」をもっと詳しく

「金田正一」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ