またも1周目に赤旗中断。バニャイアが追い上げて優勝飾り、KTMがダブル表彰台/第4戦スペインGP
2023年4月30日(日)23時14分 AUTOSPORT web
4月30日、2023年MotoGP第4戦スペインGPの決勝レースがヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われ、MotoGPクラスはフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が制した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は9位で終えている。
決勝レース前最後となる午前のウォームアップ走行では曇り空で暗くなり、気温19度、路面温度25度だった。特にトラブルもなく進み、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が1分37秒161でトップタイムを記録し、ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)が続いた。
25周の決勝レースは気温28度、路面温度33度のドライコンディションで行われた。ホールショットをジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が奪い、ビンダー、マルティン、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)、バニャイアと続く。
すかさずバニャイアが4番手を奪い、後方では2コーナーでクアルタラロが転倒し、ミゲール・オリベイラ(クリプトデータRNF・MotoGPチーム)を巻き込んで2台がクラッシュした。それにより赤旗中断となったが、全ライダーの意識はあるアナウンスがされ、オリベイラはメディカルセンターに向かった。レースは前日のスプリントと同様にオリジナルグリッドで再開されることとなった。
再開後のレースでは、1周減算となり24周。クアルタラロは戻れたが、オリベイラはグリッドについていない。また、クアルタラロにはロングラップペナルティが科されることとなった。スタートはビンダー、ミラー、マルティンのトップ3の順になった。
前戦勝者のアレックス・リンス(LCRホンダ・カストロール)が早々に転倒。2周目にはバニャイアが3番手に浮上。その頃にジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)がクラッシュしてホンダが2台リタイアとなった。
3周目にはミラーがトップに出て、4周目の最終コーナーで再度ビンダーが首位に出るなど、KTM勢での争いもあった。5周目はバニャイアが無理矢理ミラーのインをついて2番手に浮上した。
6周目はマルティンがミラーをかわして3番手。しかし、最終コーナーでミラーがインをついてミラーが3番手、マルティンが4番手に。そこにアレイシ・エスパルガロが入り4番手に上がった。
また、ロングラップペナルティを消化しようとしたクアルタラロは白線をカットしたため、再度ロングラップペナルティゾーンを走り、16番手までポジションを落とす。5周目に無理矢理ミラーを抜いたバニャイアだったが、8周目には1ポジションダウンの指示が出て3番手にダウンしている。
レースが半分過ぎた12周目の終わりには、トップからビンダー、ミラー、バニャイア、マルティン、アレイシ・エスパルガロ、ヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)の順だ。トップ3は各々0.3秒ほどの差で等間隔で走っている。
15周目にバニャイアが2番手のミラーをかわしてトップを追う。17周目には5番手のザルコ、10番手のマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)がブレーキングでスリップダウンしてリタイアとなった。
ラスト5周、バニャイアがファステストラップを記録してトップのビンダーを追い詰める。残り4周ではぴったり後ろにつけて、最終コーナーでトップに浮上。バニャイアは開幕戦以来となる決勝の優勝に向けてアタックを続ける。
2番手のビンダー、3番手のミラーは前を狙うが、ポジションは変わらずバニャイアが優勝。ビンダー、ミラーが表彰台を獲得した。
4位はマルティン、5位はアレイシ・エスパルガロ、6位はルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシング・チーム)、ワイルドカード参戦のダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)は7位、8位はアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)、中上は9位で日本メーカー首位でフィニッシュした。8位を走行していたマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)は最終ラップでチェーンが切れてリタイアとなってしまった。