もう1度上位へ!J1福岡、奈良・紺野・長谷部監督、川崎戦翌日コメント

2023年5月1日(月)17時0分 FOOTBALL TRIBE

DF奈良竜樹(左)長谷部茂利監督(中)MF紺野和也(右)写真:Getty Images

4月29日に開催された2023明治安田生命J1リーグの第10節。川崎フロンターレとの戦いに1-3で敗れたアビスパ福岡は、これで3試合連続の複数失点となり、順位も7位に落としている。


翌30日の福岡の練習は非公開となったが、練習後に行われたオンライン会見の中から、キャプテンのDF奈良竜樹、MF紺野和也、長谷部茂利監督のコメントを紹介する。




アビスパ福岡 DF奈良竜樹 写真:Getty Images

「毎試合、苦しむ覚悟を」DF奈良竜樹


ー川崎フロンターレ戦(4月29日J1第10節)は、雨の中で守備の強度が出せなかった難しい試合だったと思いますが、実際はどう感じていますか?


奈良:雨の中という条件は相手も一緒ですし、それほど特別な状況ではなかったので、そこは昨日の試合の強度というところで影響があったとは思わないです。今年はシステムを使い分けていますが、システムは関係なく、チームの守備やコンセプトというのがあって、チームのアイデンティティがあります。その中で、システムの「強み」と「弱点」があって、自分たちは昨日、システムにおける強みを出せませんでした。


それが出せないとやっぱり弱いところが出てしまい、戦術的な部分なので細かいところは答えられませんが、もっと勇気を持って前から仕掛けて圧力をかけないと。もちろん、相手が上手だったというのはありますけれど、上手な相手に前からいけないとなるとチームとしての進歩はありませんから。


自分たちはもうJ1で1年目のチームではなく3年目なので、これからもっともっと上を目指していこうという中で、そういう(上手な)相手にも、4枚のあのシステム(4-4-2)で行くとなった時にはやっぱりもっともっと勇気をもって前から仕掛けなければなりません。試合の後にそんなことを思いました。その試合はもう帰ってこないので、そういう反省を次の試合以降にしっかり活かしたいです。終わったあとに後悔するんじゃなく、自分たちのスタイルを特にホームではしっかり表現しないといけないなと感じています。


ー負傷と思われる選手が増えている中での連戦。次節(J1第11節FC東京戦)は正念場になると思います。キャプテンとして、どのように引き締めようとしているのでしょうか。


奈良:自分たちはまだまだ波があるチームです。シーズンの開幕戦こそ負けてしまいましたが、そこから良い時期を過ごし、チームの「調子の波」だけで見ると今はそういうところ(良くない状態)で、試合の流れや展開という部分も含めて難しい時期に来ていると思います。


怪我のリリースが出ている選手や(試合に)いない選手、それ以外でも多少なりとも問題を抱えている選手がいるのは、多分どこのチームでもあるだろうし、ピッチに立つ選手がしっかりプレーすることが大事です。日頃のトレーニングで、それぞれの姿勢やチームとしての取り組みが上手くいかない時に少しずつ疎かになってしまって、どうしても立て直しが効かなくなるところがあると思います。


ピッチに立つ選手、その試合のメンバーに入った選手がその試合での「アビスパ福岡」だし、誰かがいないとかで何かが崩れてしまうようではチームとしてまだまだ未熟だと思います。ここ最近は失点が続き、ディフェンスの選手としてはすごく責任を感じる試合が続いています。


ただ、攻撃も守備も全員がどちらにも100%で関わっていくところが自分たちのスタイルなので、失点はディフェンスだけの責任で得点は攻撃の選手だけのものじゃなく、そこには11人が関わっているし、もっと言うと(ベンチ入りを含む)18人が関わっている。シーズン全体でいうと、所属している全員が常にチームに関わり続けないといけないと思います。苦しい時期はありますけど、どれだけ悪い状況でもどれだけ良い状況でも試合というものは待ってくれないですし、常に来るべきタイミングで来るのが「試合」なので、そこでプレーできる選手が100%でプレーする。結局はそれだけだと思います。


自分たちはまだまだどんな相手にも余力を残し楽をして試合を成立させられるようなチームじゃないし、逆に言えばどんな相手にも苦しまなきゃいけないですけけど、苦しめば五分五分やそれ以上に持っていけるチームでもあると思うので、毎試合苦しむ覚悟です。苦しまないと何も手にできないというところをもう1回全員で見つめ直して、僕自身もキャプテンとして自分自身に何ができるのかっていうものを問わないといけないと思います。それが自分の次の成長に繋がると思うので、こういう苦しい状況下にしっかり正対して、真摯に取り組んでいきたいと思っています。


アビスパ福岡 DF奈良竜樹 写真:椎葉洋平

ーリーグ戦では、3試合続けて複数失点が続いています。「前からの圧力」ということをお話されましたが、そのあたりを改善していきたい考えですか。


奈良:改善しなきゃいけない部分はたくさん、というか、何か1つではありません。複数失点している試合は僕の中で勝手に横(サイド)からのボールのセカンドボールというか(クロスで)直接やられるというよりも、そこからの流れで失点している形が続いていると考えています。最初のボールにはしっかりプレーできているんですけど、セカンドボールへの反応という部分でいうと、チームとしてもっともっと集中力を上げてアラートで取り組まないといけないと思います。最初の横からのボールで直接やられる訳ではないですけど、しっかり弾ききれていないからこそ、そのこぼれ球が生まれるので、もっと最初のボールへの対応や反応を、僕も含めてしっかり改善していかないといけないなと思います。


もっと言うと札幌戦(4月23日J1第9節北海道コンサドーレ札幌戦、2-2で引き分け)や今回の川崎戦もそうですけど、前半にちょっと消極的というかチームとしてアグレッシブに入れていないところが気になった部分です。それはシステムの噛み合わせなのか、チームや個人の意識の問題なのか…。相手が上手でボールを持つのが得意な選手が多いチームだったというのはあるかもしれないですけど、じゃあ最初から自分たちの強みというかベースの部分を放棄していいかというとそうじゃないと思います。もちろん失点もすごい気になるし、自分たちの責任を感じる部分ではありますけれど、それよりもチームの試合に入る姿勢や、最初から出力を出していくところだったりが気になっています。


それはもしかしたら(試合前の)アップの段階だったり、前日の練習の雰囲気だったり、そういうものが少しずつちょっとした緩みに繋がってこうなっているのかもしれません。失点が多い部分も問題ですが、まずは自分がしっかり1人の選手として試合に入る、そういうところを僕もそうですし全選手もそうですし、チームのみんなと一緒にというのも含めて、もっともっとチームとして「自分たちはこういうチームだ」と表現しなきゃいけないし、ベース部分をもう1回見つめ直さなきゃいけないのかなと思います。


アビスパ福岡 MF紺野和也 写真:Getty Images

「読まれても、それを上回らなければならない」MF紺野和也


ー次節(5月3日J1第11節)はFC東京戦です。古巣対決は初めてですが、どういう気持ちですか?


紺野:やはり、負けたくないという気持ちは他チームと対戦するときよりも強いです。あとは「一緒に戦った選手と対戦する」というのは何か不思議な感覚だなというのもあります。でも、楽しみな気持ちが1番です。


ー今季のFC東京の試合ぶりを見て、去年との変化を感じるところはありますか?


紺野:アルベル(・プッチ・オルトネダ)監督の2年目で、基本的には去年積み上げたベースの質をさらに上げていく事に取り組んでいると思います。去年は主に[4-3-3]を使ってたんですけど、ここ数試合で[4-2-3-1]に変えているので、そこは去年とは違うところなのかなと思います。


ー昨2022年の5月3日も、ベスト電器スタジアムでのアビスパ福岡対FC東京でした。途中出場し(FC東京は)1-5で敗れましたが、アビスパをどう感じていましたか?


紺野:あの試合は多分開始2〜3分(実際には4分)で失点してしまって。そこから自分たちのリズムが全然作れず追加点を食らって、というアビスパの良い時の試合運びをさせてしまったなという感じでしたし、シンプルに強いなと感じていました。


ー次節は(昨年と)逆の立場での試合ですが、やはり早い時間帯の先制点は大事になりますね。


紺野:そうですね、しっかり試合の入りから戦って、去年のように(試合の)入りとゲーム運びができれば良い戦いができると思いますし、勝てない相手ではないと思います。準備期間は短いですけど、チーム全体で話し合って良い方向に持っていければいいかなと思います。


ーFC東京の選手は、紺野選手の特徴をよくご存知なはずです。それに対して、どのように戦いますか?


紺野:(相手に)読まれていても、それを上回らないといけないと思います。自分のドリブルを消してくるんだったら、味方選手とのコンビネーションで崩していくのもありだと思いますし、左(足)を切ってくると思うので、縦に仕掛けて右足でクロスを上げるという場面を作ってもいいかもしれないです。相手がどのように対策してくるかは試合が始まってみないと分からないところもあるので、相手の対策に合わせて試合の中でいろいろ試しながらやっていければなと思います。


ー川崎戦ではDF湯澤聖人選手が負傷交代し、公式戦では初めてDF前嶋洋太選手と長い時間縦のラインを組みました。感触や反省点を教えてください。


紺野:初めてだったので、なかなか上手くコンビネーションができなかったんですけど、(前嶋)洋太と組む試合も増えていくと思います。そこはより話し合って、動き方だったりパスのタイミングだったりというのを良くしていかなきゃいけません。昨日の試合(川崎フロンターレ戦)で言ったら、右サイドのポジショニングでのローテーションで、自分がもう少し引いてボールを引き出しても良かったかなというのはありました。相手の遠野選手(FW遠野大弥)や登里選手(DF登里享平)をあまり困らせることができなかったというのは課題だったかなと思います。




アビスパ福岡 長谷部茂利監督 写真:Getty Images

「やるべきことを徹底し高いレベルでできるように」長谷部茂利監督


ー中3日で試合が続きます。複数失点が続いていますが、どのようなことをもう一度確認したいと考えていますか?


長谷部:ミーティングで修正したいポイントや意識、そういうことを伝え、最低限できることをやらなければならないと思っています。練習の中で動いて確認することはたくさんはできないと思うので、普段通り自分たちの試合への入り方をしながらも、少し確認して(不安な状態じゃなく)自信を持って試合に入っていけるようにしてあげたいなと、していきたいなと思います。


ー複数失点の3試合は自分たちの問題が大きいのか、それとも相手の攻撃が良かったのか、どんなふうにお考えですか?


長谷部:新潟戦(4月15日J1第8節アルビレックス新潟戦、3-2で敗退)は終盤の10分ぐらいですかね、そこでの自分たちのプレーが良くなかった。他(の時間帯)は良かったと思います。そこが悪いということと、札幌戦に限っては前半の立ち上がりにポンポンと15分ぐらいまでに2失点したことが良くなかったですね。昨日(川崎戦)も後半の立ち上がりに失点してしまったり、分かりきっていることでやられているので、そこをもっと意識高くやらなきゃいけません。


以前、昨年ですかね。序盤戦で前半10分までに失点を続けた時期があったと思うんですけども、そういう時と似てますよね。その時期からは抜け出したんですけれども、またそういう傾向が出ているので、もう1回そこは押さえていく。まあ時間帯で分ける必要はないんですけれど、簡単にやられないようにしなきゃいけないですね。


また、昨日のフロンターレに関しては、やはりボールを止める、運ぶとか、アタッキングサードに入っていくところが上手でしたよね。その辺は私が対戦前に話していた通り、やはり川崎の良さを持ち続けています。同じ選手たちが長くコンビネーションを取れているので、怪我人が復帰したことも含めてメンバーが揃うという意味でそういうところ(より川崎らしく)になってきているんじゃないかな。


ただ「相手が上手いから負けました」ではダメなので、それを防げるようになっていかなくちゃなりません。もう1つ2つ自分たちが成長しないと、やるべきことを徹底して高いレベルでできるようにならないといけません。


ー水曜日(5月3日)はFC東京戦ですけれど、今年のFC東京はどうご覧になっていますか?


長谷部:相変わらず前(線)のタレントというんですかね、この間(4月29日J1第10節、FC東京VSアルビレックス新潟戦)のオリヴェイラ選手(FWディエゴ ・オリヴェイラ)のシュートも素晴らしいものでした。チャンスの数はたくさんあるチームではないと思うんですけれども、でも攻守に渡って選手にタレントがいて、そこでプレーを完結できるというのがFC東京かなと思います。


ーFC東京戦に向けて、特に重視したい部分はありますか?


長谷部:やっぱり「簡単に崩される」「簡単にシュートを打たれる」ということを減らしたいですね。昨日(川崎戦)もやはりああやってペナルティエリアの中に侵入されて、という場面が結構あって、それが失点にも繋がっているので、ああいう場面を失くしたいですね。

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