8号車組を15点差で追う小林可夢偉組トヨタ7号車が逆襲のポール獲得/WEC第7戦スパ予選
2019年5月3日(金)23時31分 AUTOSPORT web
WEC世界耐久選手権第7戦スパ・フランコルシャンの公式予選が5月3日、ベルギーのスパ・フランコルシャンで行われ、TOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタTS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)がポールポジションを獲得した。
現地時間15時に開始された予選は一部に日差しも降り注ぐ曇り空、コース全域はほぼドライというコンディションで迎えた。しかし、コースの一部分にダンプ路面が残ったため、セッションはウエット宣言が出されるなかでのスタートとなっている。
LMPクラスに先駆けて行われたGTE予選では石川資章がドライブするMRレーシングの70号車フェラーリ488 GTEがオールージュでスピン、クラッシュするアクシデントがあったものの、セッション中断とはならず。LMP予選は定刻どおり15時35分にピットロード出口のシグナルがグリーンへと変わった。
セッションスタートとともに各車は一斉にコースインすると、まずは可夢偉が搭乗する7号車トヨタがいの一番にタイムを出し、1分53秒812でタイムボードの最上段を確保。これに中嶋一貴操る8号車トヨタが1分54秒342で続く。LMP1プライベーターはセルゲイ・シロトキン駆るSMPレーシングの17号車BRエンジニアリングBR1・AERが1分55秒119で総合3番手に。
コース上に雨粒が落ち始めたこともあり、トヨタとSMPは3周目終わりにピットへ。早々にふたり目のドライバーに交代し、少しでも路面状態が良いうちにタイムを出しに行く。一方、今ラウンドにローダウンフォース仕様のエアロを持ち込んだレベリオン・レーシングは4周目まで引っ張ってピットへ戻った。
この間にトヨタは可夢偉から変わったコンウェイが1分53秒683という全体ベストをマークし、アベレージタイムを1分53秒747とする。対する8号車トヨタは一貴代わったセバスチャン・ブエミが1分53秒台に入れられず。アベレージは1分54秒243とチームメイトから0.5秒あまり遅れる結果となった。両車はセッション残り11分を残してピットに戻ると、ポールを確信したコンウェイのガッツポーズもみられた。
■SMPの17号車がトヨタ8号車と同じ1分54秒台をマーク
第7戦スパでLMP1チームの中で唯一ハイダウンフォース仕様のエアロで戦うSMPレーシングは、セクター2での速さを活かし17号車BR1が1分54秒711をマークして総合3番手に。4番手はレベリオン・レーシングの3号車R13・ギブソンがつけ、5番手以下はSMP11号車BR1、レベリオンの1号車というオーダーになった。
なお、セッション残り5分あまりとなったところでメインストレートでマシンを止め、赤旗の原因となったバイコレス・レーシング・チームの4号車ENSO CLM P1/01・ニスモは総合12番手/クラス7番手となっている。
赤旗中断からリスタート後は雨で路面状況が悪化しており、ラルブル・コンペティションの50号車リジェJS P217・ギブソンを除いて全車がピットにステイ。このため7号車トヨタのポールポジション獲得が決定した。
LMP2クラスは、スポット参戦のELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ王者Gドライブ・レーシングのアウルス01・ギブソンが2分00秒674でクラス首位に。2、3番手にはジャッキー・チェン・DCレーシングの38号車、37号車オレカ07・ギブソンがつけた。
5メーカーがブランドの維新をかけて争うLM-GTEプロクラスはアストンマーティンとBMWが熱戦を繰り広げ、2分12秒977をマークしていたBMWチームMTEKの82号車BMW M8 GTEのタイムを0.025秒上回ったアストンマーティン・レーシング、97号車バンテージAMRがセッション終盤にトップに浮上する。
しかし、これをフォード・チップ・ガナッシ・チームUKの67号車フォードGTが逆転。2分12秒885というアベレージタイムでクラスポールを奪ってみせた。
GTEアマクラスでは、チェッカー後にフィニッシュラインを通過したTFスポーツの90号車アストンマーティン・バンテージが、逆転でポールを獲得した。直前までトップに立っていたデンプシー・プロトン・レーシングの77号車ポルシェ911 RSRが同2番手となっている。
WEC“スーパーシーズン”の終盤戦、第7戦スパ6時間レースの決勝は4日13時30分(日本時間8時30分)にスタートが切られる予定だ。