STANLEY牧野が自身2度目のポール獲得。Q1とQ2で入り乱れたタイムバトルを制す【第2戦GT500予選レポート】

2023年5月3日(水)19時22分 AUTOSPORT web

 快晴のもと迎えたゴールデンウイーク恒例の富士スピードウェイ決戦。2023年スーパーGT第2戦のGT500クラス公式予選は、午前公式練習トップの勢いを持ち越した100号車STANLEY NSX-GTの牧野任祐が、ドライ路面の真っ向勝負で今季初ポールポジションを獲得。トップ5にホンダ、トヨタ、ニッサンの3メーカーが入り乱れ、ヨコハマタイヤ装着の2台もブリヂストン勢に割って入る混戦必至の展開となった。


 ここ富士で実施された開幕前公式テストから、開幕の舞台となった岡山国際サーキットともに、ほぼ全セッションが降雨に見舞われてきた2023年シーズン。それでも状況が改善しつつあるコロナ禍明けの機運とともに、大型連休後半戦の幕開けとなった5月3日(水・祝)の予選日は、多くのファンが期待したとおり早朝から真っ青な空が広がった。


 そのような前提条件により、どの陣営もドライ路面での事前走行データが乏しく、今季より実施された持ち込みタイヤのセット数削減や、新燃料導入など新たな要素の影響がどう出るか。公式練習の内容が明日の決勝450kmを占う重要なポイントとなった。


 ここで混走時間帯から連続ラップで好調さを披露したのがトヨタ陣営で、36号車au TOM’S GR Supraが1分27秒924のベストとともに、安定して29秒台でラップを重ねていく。一方、GT500クラス占有走行時間帯の予選シミュレーションでは自己ベスト更新を果たした14号車ENEOS X PRIME GR Supraを退け、100号車STANLEY NSX-GTが1分27秒629でセッション最速を奪うなど、スピードの面で一歩も引かない姿勢を示す。


 開幕戦ワン・ツーフィニッシュ達成で重めのサクセスウエイト(SW)を搭載するニッサン/ニスモ陣営の2台、そして今季ディフェンディングチャンピオンとして挑む1号車MARELLI IMPUL Zを含め全15台のタイム差は約1秒と、午後の予選に向け今季最初の”ドライ真っ向勝負”への期待が高まった。


■Q1:2台体制となったARTAがワン・ツー


 初夏を思わせる上空からの日差しに加え、サーキット周辺では風も強まり始めるなか、GT300クラスQ1開始の15時15分時点で気温は20度まで上昇。一方で路面温度は予想に反して32度と、ほぼ午前と横ばいのコンディションに留まる。


 そこから約30分後の15時48分にコースオープンを迎えると、まず64号車Modulo NSX-GTの太田格之進が真っ先にピットを後にし、ライバル陣営がトラックインするのを待ち、最後にニッサン/ニスモ陣営の2台と24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zがセッション3分経過を前にコースへと向かう。


 このアウトラップで先頭に入れ替わった14号車ENEOS X PRIMEの山下健太が、同陣営の36号車au TOM’S GR Supraとともに計測4周目までウォームアップラップを主導していくと、約1周ほど遅れてタイヤグリップの発動条件が異なるニッサン陣営が、3号車、24号車と入れ替わりで首位に立ち、タイミングの異なる組同士がお互いを意識しつつ最後のアタックへと向かう。


 続く計測5周目でまずは山下が1分26秒968のターゲットタイムを刻むと、同一周回で8号車ARTA MUGEN NSX-GTの大湯都史樹が1分26秒817とし、これを早速上回っていく。


 迎えたチェッカーラップでは山下が自己ベストを更新できないなか、36号車auの坪井翔が意地の26秒台へ飛び込んだものの、さらにその後方から来た16号車ARTA MUGEN NSX-GT大津弘樹が「クルマがとても乗りやすかった」と1分26秒595までタイムを縮め、ここでARTA陣営がワン・ツー体制を築いてみせる。


 最後の最後でニッサン陣営の24号車が、ヨコハマタイヤのパフォーマンスも使い切り1分26秒822で3番手としたものの、ミシュランタイヤを履く2台はやはりSWが響いたか、Q2進出カットラインの8番手には届かず。4番手以降は14号車、36号車に加え、7番手に飛び込んだ昨季の最多ポール獲得車両19号車WedsSport ADVAN GR Supraのトヨタ陣営と、17号車Astemo NSX-GTと100号車STANLEY NSX-GTのホンダ陣営4台がQ1突破を果たした。

2023スーパーGT第2戦富士 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)


■Q2:STANLEY牧野がQ1から大幅タイムアップでポール獲得


 GT300のQ2を経て西陽が差し込み始めた16時26分より開始のQ2は、そのARTA艦隊を先頭にコースイン。これもQ1と同様、2分ほど待機した24号車リアライズZの平手晃平が全8台の最後でピットを離れていく。


 やはりここでも先頭へ躍り出た14号車ENEOS X PRIMEの大嶋和也が36号車auの宮田莉朋とともに熱入れを進め、それを24号車リアライズZの平手がことごとく更新していく展開に。


 ライバルより早い計測4周目時点で1分26秒779としていたニッサン/ヨコハマのコンビネーションに対し、アタックラップに入った100号車STANLEYの牧野任祐が、計測5周目に1分26秒420まで削り、ここでタイムボードの最上位に躍り出る。


 この標的に対しどこまで迫るかが注目された24号車は、タイヤのライフによるものかなんとセッション終了のチェッカーを待たずに、ピットロードへとマシンを向ける。これで最後の計測6周目はホンダvsトヨタの直接対決の構図となり、14号車ENEOS大嶋は1分26秒962でコントロールライン通過時点の3番手、そして16号車ARTA福住仁嶺、19号車WedsSport ADVAN阪口晴南も立て続けのベスト更新で戻ってくるも、ともに2番手が精一杯に。


 最後の最後、ただ1台だけ7周目に突入した大嶋は他車の更新で8番手に下がっていたポジションを、2列目4番手に取り戻す1分26秒743としたが最前列を奪うには至らず。100号車STANLEY牧野が「開幕の分も明日は絶対に取り返す」との決意を示す、今季初のポールポジションを獲得。フロントロウには19号車WedsSport ADVAN GR Supra、その背後には16号車ARTAと14号車ENEOS、そして5番手に24号車リアライズが並び、ホンダ、トヨタ、ニッサンの3メーカーに、ブリヂストン、ヨコハマのタイヤ銘柄が入り乱れる上位グリッドとなっている。

2023スーパーGT第2戦富士 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)

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