泉口友汰を獲得した巨人スカウトの「慧眼」 門脇誠のレギュラー定着も冴えた「危機管理力」
2025年5月3日(土)11時10分 ココカラネクスト

泉口が遊撃手として巨人の首位キープに貢献している(C)産経新聞社
貴重な戦力としてチームを牽引しています。
巨人の1番打者として奮闘を続ける泉口友汰です。大阪桐蔭、青山学院大、NTT西日本とアマチュア球界の名門チームでショートを務め、2023年のドラフト4位で巨人に入団。ルーキーイヤーの昨年は66試合に出場し、打率.201、1本塁打、9打点の成績に止まりましたが、2年目の今季はここまで19試合に出場。主に1番として72打数22安打の打率.306と躍動し、巨人の首位快走に貢献しています。
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スポーツ紙のデスクは言います。
「高校、大学、社会人と強豪チームで揉まれてきた経験値はダテじゃない。巨人でも物怖じすることなく、攻守に堅実なプレーを見せています。試合でこそ光る、実戦派ですね」
そして、巨人が泉口を獲得した2023年のドラフトを振り返り、こう続けるのです。
「あの年はルーキーの門脇誠がショートのレギュラーをつかんだこともあり、ドラフト後にはファンの間から『同タイプの泉口が果たして必要なのか?』との意見が出たのも事実です。しかし、スカウト陣は内野の選手層を厚くするために、安定感に優れる泉口を獲得しました。この『危機管理力』がプラスに作用していると言えるでしょう。今季の門脇選手は打率1割台と不振に陥っていますが、ここで泉口が好調でいることの意味は大きい。編成サイドには、常に最悪の状態を想定して、半歩先の選手補強をすることが求められます。つまり、『泉口獲得』はスカウトの慧眼だったと言えそうです」
巨人のような人気球団では、ドラフトにおいて高卒や大卒のビッグネームやスタープレーヤーを獲得できたかどうかに、ファンの興味が注がれます。しかし、「大卒社会人」で培ってきたスキルもまた、常勝チームには必要な要素です。
「社会人野球の経験者にとって、最も苦しかった試合は都市対抗の予選であると、誰もが口をそろえます。東京ドームの本戦での勝負は時の運。でも都市対抗に行けるか行けないかは、社会人選手にとって自らの存在意義に関わる大問題です。これを経験している選手は腹が据わっている。そんな泉口と大卒の門脇、高卒の中山たちによるショートのレギュラー争いも、かなり面白いと思いますよ」(前述のデスク)
チーム力を押し上げる、ハイレベルな切磋琢磨に期待したいところです。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]