ソフトバンク・生海 脳挫傷から約1年半ぶり実戦復帰 「おかえり!」の声に感極まる
2025年5月3日(土)20時3分 スポーツニッポン
◇九州アジアリーグ ソフトバンク4軍1—3九州・火の国(2025年5月3日 リブワーク藤崎台)
昨年1月の自主練習中に打球が左側頭部に当たって負傷し、脳挫傷の診断を受けたソフトバンクの生海外野手(24)が3日、九州アジアリーグの火の国戦(リブワーク藤崎台)で実戦復帰した。
「6番・DH」で1打席限定の出場。23年10月のファーム日本選手権以来、約1年半ぶりの実戦だった。2回2死。「おかえり!」とファンからの声に迎えられ「ちょっときちゃいましたね」と感極まった。三振に倒れたが、三振して悔しいという感情を久々に体感し「こういうのがいいですね」と野球ができる喜びをかみしめていた。
当初は「野球できるとは思ってなかった。正直、復帰もできないと思っていた」と明かす。やり場のない感情…。ついつい家族に言葉で当たってしまったこともあったと反省する。そんな中、門田大祐トレーナーや中谷リハビリコーチらリハビリチームのサポートももあり少しずつ前進してきた。
前日はなかなか眠れなかった。15分ごとに目が覚めた。「震えるというか。もう楽しみで」と感情が高ぶった。試合前には声出しにも指名された。「1年半ぶり。お久しぶりです。ちょっと緊張している。なるべく勝った状態で回して欲しいな。4軍初戦と言うことで監督に勝ちを挙げましょう。さあいこー!」と声を張り上げ試合に臨んだ。
大越基監督(53)は「自分はどこまで大変だったのか彼じゃないのでわからないんですけど、きょうは本当にバッターボックスに行けただけでも、僕は良かったなと思っています」と語った。試合中には「あしたまたバッターボックス立てるようにちゃんと体調を準備していこう」と語りかけたという。
1年目の23年は1軍で13試合に出場。「ファーム日本選手権」では4打数4安打で優秀選手賞に受賞した長距離砲は、一歩ずつ前進していく。