【巨人】記念試合勝利の裏で指揮官が新エース戸郷翔征にあえて”ゲキ”を飛ばした理由とは

2024年5月4日(土)14時3分 ココカラネクスト

阿部監督は勝利の裏でチームを引き締めることも忘れなかった(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext

 記念試合にふさわしい内容となった。

 巨人は5月3日に行われた球団創設90周年記念特別試合「長嶋茂雄DAY」として開催された阪神戦(東京ドーム)に8−5と勝利。プロ2年目、注目左腕の門別啓人を早めに攻略すると、ゲームの主導権を握り、勝利をたぐり寄せた。

【動画】戸郷は大山に一発を浴びるなど、もったいない投球が目立った

 ミスターの野球人としての功績をたたえる記念試合、試合ではユニホームの右袖と帽子に永久欠番となっている「3」を刻んでプレーした。長嶋氏も来場、愛弟子の松井秀喜氏もセレモニアルピッチで花を添える中、ナインも懸命に戦った。

 初回だ。二死無走者から吉川尚輝が二塁打で出塁、続く岡本和真が四球を選び、二死一、二塁の形を作ると、坂本勇人、長野久義、小林誠司、門脇誠の4連続適時打で4点を奪う。鮮やかな先制攻撃で王者、阪神に向かっていく姿勢を鮮明にした。

 カード前まで3連敗と打線に勢いがなく心配された。多くのレジェンドOBが来場する日にこれ以上、心配をかけるわけにはいかない。そんな気持ちが透けて見えるほど、誰もが闘争心に満ちた表情で試合に臨んでいた。

 2回には主砲、岡本にも5号2ランが飛び出すなど、2回までに6得点と大量にリードを奪う中、あえて厳しい目を向けられたのは先発の戸郷翔征だった。

 序盤の点差もあり、より長い回を投げることが期待されたが、6回途中で降板となった。

 6回は二死まで追い込むも2番の中野拓夢に1号ソロを許した。続く3番の森下翔太、2回に1発を許していた大山悠輔に連続四球を与えると、二死一、二塁の場面で代打で出た糸原健斗に右二塁適時打で1点を失う。外野守備の乱れもあり、戸郷には気の毒な面もあったが、ベンチはここで交代を決断。代わって出た左腕、高梨雄平は佐藤輝明に四球を与え、二死満塁のピンチを迎えるも梅野隆太郎を遊ゴロに打ち取り、ピンチの芽を積んだ。

 試合後のテレビインタビューで阿部慎之助監督は戸郷の降板について聞かれると「大差があって四球。打たれていいケースだと思うんですけど、ちょっとだらしなかったので替えました」と交代の理由を説明してみせた。

 戸郷は味方が4点を奪った直後の2回にも大山に本塁打を許していた。大事な開幕戦を託すほど力を認める新エースなだけに、大事な試合でスキのないピッチングを期待していたということだろう。

 今季戸郷はここまで6試合に登板し、2勝1敗、防御率2・39。そこまで悪くないともいえるが、チームではこのところ奮闘する姿を見せている菅野智之もいる。菅野はここまで4試合に登板し、3勝0敗、ベテランが存在感を示しているとあって、新エースにはさらにチームを鼓舞するピッチングを期待したいところ。

 降板後は巻き返しを誓ったとされる戸郷の次回の登板内容も注目となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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