井上尚弥 挑戦者にクギ「挑発しないように」前戦挑発ポーズでイラッ4回KO 世界戦最多23KOに自信
2025年5月4日(日)5時0分 スポーツニッポン
◇世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチ 統一王者 井上尚弥《12回戦》WBA1位 ラモン・カルデナス(米国)(2025年5月4日 米ラスベガス T—モバイル・アリーナ)
世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥が2日、4年ぶりのラスベガスでの防衛戦に向け、MGMグランドで公式会見に参加した。対戦相手のWBA同級1位ラモン・カルデナスと対面し、挑発を避けるように忠告するなど余裕たっぷり。宣言通りの中盤KOを実現すれば、世界戦KO勝利数は歴代単独1位に躍り出るが、記録よりも記憶に残る勝負にこだわる姿勢だ。
約300人の関係者が詰めかけた会見場。井上はファンからの期待を受け止めるように、柔らかな表情のまま2日後に迫った決戦への思いを語った。司会者から3度目のラスベガスでの戦いの心境を問われると「前回(21年6月)、前々回(20年10月)はコロナ下での試合だったので、今回T—モバイル・アリーナで試合できることがまず一番の違い。米国でこれだけの大きな会場で試合できるというモチベーション」と収容人数2万人の会場で暴れる姿を思い描いた。
この日、対面したカルデナスとは約17秒間フェースオフを展開。「凄い落ち着いていることは感じた。自信を持って挑んでくる」と警戒を強めた。一方で自身に挑発ポーズをした金芸俊(韓国)を4回KOでリングに沈めた1月の前戦を振り返って「ちょっとイラッとした。瞬時に倒してやろうと思った」と笑みを浮かべ、「挑発はしないように」と挑戦者にくぎを刺すことも忘れなかった。
KO防衛に成功すれば、1937年から48年まで世界ヘビー級王座に君臨したジョー・ルイス(米国)と並んでいた世界戦最多22KO勝利を「23」に塗り替える。77年ぶりの大記録更新が懸かる一戦にも「記録にこだわってKOするわけではなく、KOで終わらせないと自分の中ではいけない試合」。4年ぶりのベガス戦では記録とともに、強烈なインパクトを残す心意気だ。
先月23日に現地入りして以降、試合会場は外観を確認したのみ。当日のリングチェックを行う予定もなく「東京ドームも1回経験している。不足はない」と頼もしい。「しっかりボクシングをして中盤KOというのが一番良い形、試合の終わらせ方」と試合展開は想定済み。世界が注目する一戦で、ラスベガスのメインイベンターとしての準備はすでに整っている。(伊東 慶久)