「弱点証明」「弱い顎」...“アンチ尚弥”米記者がダウンに厳しい指摘 強敵とは戦うなと“忠告”も
2025年5月5日(月)16時32分 スポーツニッポン
◇プロボクシング 世界4団体スーパーバンタム級タイトルマッチ 統一王者井上尚弥(大橋)<12回戦>WBA同級1位ラモン・カルデナス(米国)(2025年5月4日 米ネバダ州ラスベガス T−モバイル・アリーナ)
世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32=大橋)が4年ぶりにラスベガスのリングに上がり、挑戦者のWBA同級1位ラモン・カルデナス(29=メキシコ)に8回45秒TKO勝ちして4団体王座4度目の防衛に成功した。2回にカルデナスの左フックでダウンを喫しながらも、その後は圧倒して7回に右でダウンを奪い、8回の猛攻でレフェリーストップを呼び込んだ。
米メディアはダウンから逆転KO勝ちを演じた井上のスリリングな試合を好意的に報じた。2日(日本時間3日)にニューヨークで元WBC世界ライト級暫定王者ライアン・ガルシア(米国)が敗れ、3日(同4日)にはサウジアラビアでスーパーミドル級王者サウル・”カネロ”・アルバレス(メキシコ)が凡戦の末に判定勝ちしていたこともあり、ファンをハラハラさせた上で期待に応えた井上が評価された。
一方、ファンの間で“アンチ井上尚弥”とされる米専門メディア「ボクシングニュース24ドットコム」のクリス・ウィリアムズ記者は、「クリプトナイト(スーパーマンの弱点)の左フックがまたもさく裂 井上のディフェンスの弱点が将来に影を落とす」との見出しでカルデナス戦を報じた。昨年5月の東京ドームでのルイス・ネリ(メキシコ)戦に続き、同じパンチでダウンしたことに「このパンチは井上の弱点であることが証明されつつある」と指摘。ノニト・ドネア(フィリピン)にも左フックで「痛めつけられた」として「井上はガードを下げ、このパンチをくらう隙を与えている」とディフェンスを批判した。
同記者はさらに、「尚弥はフェザー級に上げてもエリートレベルのファイターたちを倒すだけの顎の強さがないことを露呈した。今夜の恐怖を経て、井上が126ポンド(フェザー級)に上げるとは私は思えない。その階級ではパンチが強すぎるからだ」とバッサリ。「安全策としてスーパーバンタム級にとどまるとしても、若手選手に倒されるまで長くかからないだろう。今夜の試合は、尚弥がフェザー級に上げた場合、プロモーターはこれまで以上に慎重に相手を選ばない限り、この階級では活躍できないことを示した」と予想し、フェザー級のWBO王者ラファエル・エスピノサ(メキシコ)やWBA王者ニック・ボール(英国)と「対戦させるのは無理がある。彼らのパンチは強烈で、尚弥の弱い顎を砕いてしまうだろう」と対戦しないように“忠告”までした。