【トロロッソ・ホンダ/ガスリー密着コラム】危機一髪の局面が連続。幸運のヒゲはポイントもたらさず

2018年5月6日(日)13時24分 AUTOSPORT web

 2018年、ホンダF1はトロロッソと組んで新しいスタートを切った。新プロジェクトの成功のカギを握る期待の新人ピエール・ガスリーのグランプリウイークエンドに密着し、ガスリーとトロロッソ・ホンダの戦いの舞台裏を伝える。


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 F1アゼルバイジャンGPのため、多くのドライバーが水曜午後にバクー入りしたが、ガスリーは火曜にはすでに現地に到着していた。バクーの大学を訪問し、教室で石油化学科の生徒たちからの質問に答えるという企画のためだ。22歳のガスリーは、同世代の若者たちと過ごした時間を大いに楽しんだという。


 木曜にはコース下見とメディア対応を行った後、午後にはピットウォークに参加したファンとの触れ合いの時間を持った。ピットレーンには4000人ものファンが詰めかけ、ガスリーはサインと記念撮影に追われた。

ファンサービスにあたるガスリー

 F1ドライバーたちを目の前にして大興奮のファンを前に、切り上げることができないガスリーは、終了時刻を20分以上過ぎても、忙しくサインをしていた。ホテルのジムでトレーニングをする予定だったため、トレーナーはじりじりし、ついにはチームの広報担当責任者が、早くトレーニングに行くよう声をかけた。しかし増える一方のファンを前にして彼は答えた。「分かってるけど、今行くわけにはいかないよ!」


 バーレーンGPに到着した時、ガスリーがヒゲを生やしていたことを覚えておいでだろうか。その週末、彼は4位を獲得した。だがヒゲを剃って臨んだ中国では、いい結果を出すことができなかった。


 それもあってか、アゼルバイジャンには再びヒゲを剃らずに登場したガスリー。しかし、結果はご存じのとおりだった……。


 土曜日の予選ではチームメイトのブレンドン・ハートレーと危うく大クラッシュになり得たアクシデントが発生。決勝ではケビン・マグヌッセンとの間に接触事故が起きた。


 アクシデントのビデオを見ると、マグヌッセンは時速300km出ている状態でガスリーに接触しており、一歩間違えば極めて大きなアクシデントに発展していたことが分かる。ガスリーはあの状況に非常に冷静に対応したといえるだろう。

ガスリーとマグヌッセン

 しかし決勝直後、メディアのインタビューに応えたガスリーは激怒していた。マグヌッセンを「僕がこれまで一緒にレースをしてきたなかで最も危険なドライバー」と呼び、強い怒りを示して、サーキットを後にした。


 あのアクシデントが後方争いで起きたということが、ガスリーにとってなおさら苛立たしいことだったに違いない。クレージーな展開のレースで6台がリタイアしたにもかかわらず、ガスリーとマグヌッセンは10位争いをしていたにすぎず、結局はふたりともポイント圏外に落ちてしまったのだ。


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