WRCが100%持続可能な燃料を採用。ハイブリッド導入の2022年に切り替えへ

2021年5月6日(木)16時46分 AUTOSPORT web

 WRC世界ラリー選手権は、ハイブリッドシステムを搭載したラリー1規定のクルマがデビューする2022年に合わせて、来シーズンから100%サスティナブル(持続可能)な燃料を採用することを発表した。この燃料はP1レーシング・フューエルズが独占供給する。


 この発表に先立ちWMSC世界モータースポーツ評議会は4月19日に行われた電子投票で、同社が2022年からの3年間契約でシリーズの独占プロバイダーとなることを承認している。


 WTCR世界ツーリングカー・カップにおいても今季から15%のバイオ燃料を供給するP1レーシング・フューエルズの専門家たちは、合成燃料とバイオ燃料の成分をブレンドした、化石を含まない炭化水素ベース燃料の製造に取り組んできた。この燃料はFIA国際自動車連盟が統括する世界選手権シリーズで使用される、高性能エンジンの動力源としては初めて登場するものだ。


 WRCコミッションとFIAスポーティング・デパートメントは、地球環境に配慮した燃料を供給できる問題の回答者を徹底的に分析。その結果選ばれたのが、以下の主要な要素において総合的にもっとも優れた提案をしたとの評価を受けたP1レーシング・フューエルズだった。


・提案された燃料に含まれる、FIA基準に準拠した持続可能な要素の割合
・新しい燃料と既存のWRC技術仕様との“ドロップイン”互換性
・競技者にとっての1リットルあたりのコスト
・技術力


 P1のチームは深い技術的知識、研究開発への取り組み、およびレースにおける30年の経験を結集させ、複数のモータースポーツシリーズに最先端のパフォーマンス燃料を提供している。


「FIAはモータースポーツとモビリティを低炭素の未来に導くことに力を注いでいる。ラリー1規定のハイブリッド技術とともに持続可能な燃料を導入することにより、2022年のWRC新時代に向けて大きな一歩を踏み出した」と語るのはFIAのジャン・トッド会長だ。


「環境はFIA目的主導型運動の重要な柱だ。今後もエネルギーパートナーと協力し、最高の技術的パフォーマンスと環境パフォーマンスを両立させていく」

P1レーシング・フューエルズが供給する100%サスティナブルな燃料の製造イメージ


 P1レーシング・フューエルズのマーティン・ポピリカCEOは「モータースポーツは、モビリティの未来を形作るイノベーションが生まれる場であり続けた。これが、P1レーシング・フューエルズが完全に再生可能な最初の燃料をWRCのステージにもたらすことをとくに誇りに思っている理由だ」とコメント。


「当社独自の配合は、4年間の研究と革新の成果であり、レーシングテクノロジーの世界で初めてのことであると同時に、持続可能なモビリティの未来の一部としてカーボンニュートラルエンジンに向けた重要な一歩でもある」


 WRCプロモーターのCEOであるヨナ・シーベルは次のように述べている。


「持続可能な燃料の背後にある技術は急速に変化している。したがって利用可能な最善のソリューションを見つけるために多くの努力が払われた。我々はその結果を誇りに思うことができる」


「高度なバイオ燃料と革新的な電子燃料コンポーネントの選択されたブレンドによって、WRCは日常生活にあるクルマと、持続可能なモータースポーツの真のリーダーとなる」


「WRCはこの革新的な燃料を生産車で実際の道路やあらゆる状況下で開発、および検証するためには非常に優れたプラットフォームだ。WRCのステージでこの燃料を使用することで学べるものは、最終的には世界中の道路利用者に利益をもたらすことができるだろう」

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