トヨタとフェラーリが大幅なパワーダウン。最新BoPで『499P』は重量も二桁の増加

2025年5月7日(水)12時14分 AUTOSPORT web


 フェラーリとトヨタは、最新のBoP(バランス・オブ・パフォーマンス=性能調整)によってパワーダウンと重量増を受けとり、今週末のWEC世界耐久選手権第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースに臨むこととなった。


 5月6日に発表されたハイパーカークラスのBoPでは、このカテゴリーに参加する8メーカーのうち1社を除く全メーカーの最低重量と最高出力に大幅な変更が加えられており、先月のイモララウンドと比較して、2桁の増減がいくつか見られる。



 今シーズン開幕2戦のカタールとイモラで勝利を収めているフェラーリは、499Pの重量が12kg増加し、1057kgとなった。また、ベースパワーは19kW(25PS)低下し、489kW(664PS)となった。またトヨタGR010ハイブリッドは、時速250km/h以下での最高出力がさらに低下し480kW(652PS)となった。これはイモラと比べて20kW(27PS)のマイナスを意味する。一方、重量の上げ幅はわずか4kgだ。


 フェラーリとトヨタはともに、いわゆる“パワーゲイン”のしきい値より上の領域で使えるパワーが追加され、499Pは3.7%(18.1kW)、GR010ハイブリッドは最大8.3%(39.8kW)のプラス調整を受け取った。


 改訂された2025年版のBoP調整方法においてスパのBoPは、2024年最終戦のバーレーン、今季開幕戦カタール、同第2戦イモラを対象とした直近3レースのデータ(最速10ラップと全レースラップの60%)に基づいて算出されている。


 フェラーリとトヨタに加え、BMWもスパでパフォーマンスを削がれることになる。イモラで2位となったBMW MハイブリッドV8のベースパワーは10kW(13PS)減の503kW(683PS)となり、さらに車重は7kg増加して1049kgとなった。


 一方、プジョー9X8は最低重量1030kg、最高出力520kW(707PS)を維持している。


 アルピーヌA424とアストンマーティン・ヴァルキリーも、スパでは最高出力が520kWとなる。後者はベルギー・ラウンドを前に15kW(20PS)のプラス調整を受け取り、同時に前戦比マイナス16kgで1035kgとなった。A424はプラス1kWとプラス1kgの微調整に留まっている。


 キャデラックVシリーズ.Rは、イモラより1kg重い1042kgで3番目に軽いモデルだが、最高出力は9kW(12PS)低下し501kW(681PS)となった。


 最新の変更を受けて、パワーゲインの値がプラスにならないハイパーカーメーカーは、アルピーヌ、アストンマーティン、プジョーの3社のみとなり、このうちアルピーヌは250km/hを超える速度域で-4.4%(22.9kW)ともっとも大きな下落幅となっている。



■マスタングを除く全車がパワーダウン


 9つのブランドのFIA GT3カーが参戦するLMGT3クラスでは、フォード・マスタングGT3を除く全車の最高出力が絞られた。もっとも大きなパワーダウンは、前回イモラで優勝したポルシェ911 GT3 Rとシボレー・コルベットZ06 GT3.Rで、どちらもマイナス5%の調整を受けた。


 重量の面では、BMW M4 GT3エボとマクラーレン720S GT3エボの上げ幅が比較的大きく、M4は11kg、720Sは8kgの増加でそれぞれ1346kg、1365kgとなった。720Sは全体で2番目に重いクルマだが、2kg軽量化後のシボレー・コルベットZ06 GT3.Rが1370kgで依然もっとも重いクルマであることは変わらない。


 一方、アストンマーティン・ヴァンテージAMR GT3エボは10kgの軽量化で1345kgとなり、フェラーリ296 GT3は先月のイモララウンドから7kgのマイナスで1342kgとなった。マスタングは4kgのプラス調整を受け取ったものの1332kgでクラス最軽量を維持し、1kg軽量化されたポルシェよりも3kg軽い。


 サクセスウエイトを考慮すると、33号車コルベット(TFスポーツ)が1406kgでもっとも重く、次いで59号車マクラーレン(ユナイテッド・オートスポーツ)が1383kg、3番目は78号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)の1372kgとなっている。


 レクサスは、ベース重量が1354kgで変わらなかった唯一のマシンだが、リヤウィングの最大角度が11度から9度に削減されている。


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