攻撃封印の長友佑都に、香川真司は「圧倒的な存在感。刺激になった」

5月7日(火)11時57分 Sportiva

 一時期に比べ、欧州でサッカー観戦をする日本人ファンを見かけることがめっきり少なくなったが、10連休だった今年のゴールデンウィークは、多くの日本人をスタジアムで見かけた。イスタンブールで行なわれたガラタサライ対ベシクタシュ戦もそうだった。日本の報道陣も欧州各地から詰めかけた。トルコ最大のダービーで日本人対決が期待されたからだ。


ガラタサライ対ベシクタシュ戦後、ユニフォームを交換する長友佑都香川真司

 結果はホームのガラタサライが2−0で完勝した。ガラタサライはこれで勝ち点を63に伸ばし、首位に浮上した。ベシクタシュは勝ち点59で3位のまま。ここまでリーグ戦6連勝と好調だっただけに、優勝争いを考えると痛い黒星となった。

 長友佑都対香川真司。個人の対決を見ても、長友に分があった。長友はフル出場し、サイド攻撃を武器とするベシクタシュを封じ切った。

 長友のプレーで特徴的だったのは、持ち前の攻撃的なプレースタイルを自重し、守備を優先していたことだ。落ち着いて安定したプレーで存在感を見せていた。長友と言えば、チャンスと見るや縦に猛烈なダッシュでオーバーラップしてサイドで攻撃に絡み、そのまままたダッシュで守備に戻る、疲れ知らずのサイドバックという印象が強かったが、そんなプレーはすっかり封印していた。

「まずは相手のサイドが強力だった。(イェレマイン・)レンスや、途中出場の(リカルド・)クアレスマ、先発の(アダム・)リャイッチもこっちに流れてきたりして、みんな強力だったので、しっかり守備をするところから入った。前半(終了間際)に1点入って、後半で2−0になってからも、しっかり守備をしようというところで、堅実なプレーを心がけました」

 試合後の長友は、オーバーラップは自重したのかと問われると、「そういうわけではなかったです。僕の中で試合の流れを見てといいますか、今までの経験上、カウンターが一番怖かったので……」と、相手のストロングポイントを封じることを優先したことを明かした。

 香川真司はそんな長友に、すっかり感心した様子だった。

「責任感あるプレーというか、カバリングはさぼらずやっていたし、絶対にミスを犯さずに、自分のサイドはやられていなかった。それが信頼されている証拠だと思うし、あらためて圧倒的な存在感というのを感じました。

 ここ(トルコリーグ)で生き抜くこともタフだと思うし、それは僕自身も感じている。それをやり続けるのは、それだけのトレーニング、準備をしているからかなと思います。刺激になりましたね。一緒に戦えてよかった、勝ちたかったけど。今日は負けたので、次、勝てるように頑張っていきたい」

 その香川はベンチスタート。早い時間帯からウォーミングアップを行ない、早めの出場があるのかと思われたが、結局は75分から、4−3−3のインサイドハーフで途中出場した。81分にはゴール前で右クロスにつめたが、味方が手前に入ってしまい、香川のもとにボールは届かなかった。

 結局、香川は得点に絡むことはなく、自身の立ち位置も含めて「悔しい」と繰り返した。納得がいかないというピリピリとしたムードを漂わせながら、現状の厳しさについて、こう語る。

「ファーストチョイスとしては見てないのかな。特に、守備(が課題)なのかわからないですけど、序列というのは(先発、サブと)分かれている部分はあるので、それを補うために、日々トレーニングして試合でやり続けていくだけ。毎日、毎試合、そこで監督に信頼を得られるように、悔しさをパワーに変えてやるだけだと思っているので、また次の週に備えたいなと思います」

 長友はそんな香川と「もっと長い時間対戦したかった」と言う。

「正直、真司が10分、15分程度の(プレー)時間で、僕らとしては助かりましたよ。彼が一番クオリティがあって、一番視野が広くて怖い選手で、明らかに彼が出てきてからボールが回り始めたというか、散らし始めた。最初から彼が出ていたらどうなっていたんだろうとか、後半のもっと早い時間帯に入ってきたら、もっと厄介な試合になっていたんじゃないかなと思います。だから、僕らは助かりましたね」

 試合後、2人はユニフォームを交換して、ピッチを引き上げていた。トルコ最大のダービーで、優勝争いの真っただ中での日本人対決。それは置かれている立場の違いが如実に表れた一戦となった。

Sportiva

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