フェラーリ、スプリント開幕戦で逆転勝利。レース2は現王者が本領発揮/GTWCヨーロッパ
2025年5月9日(金)17時45分 AUTOSPORT web

5月2日(金)から4日(日)にかけて、イギリスのブランズハッチでGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ(GTWCヨーロッパ)第2戦が行われ、“スプリント・カップ”の今季2025年開幕戦となったレース1をアレッシオ・ロベラ/ヴァンサン・アブリル組51号車フェラーリ296 GT3(AFコルセ・フランコルシャン・モータース)が制した。レース2はルーカス・アウアー/マーロ・エンゲル組48号車メルセデスAMG GT3エボ(ウインワード・レーシング)がポール・トゥ・ウインを飾っている。
先月中旬にポール・リカールで開催されたシーズン開幕戦の6時間レースから2週間のインターバルを置いて行われた第2戦は、年間5つのイベントが予定されているスプリント・カップのオープニング・ラウンドだ。
この週末の走り始めは現オーバオール兼スプリント・カップチャンピオンの駆る48号車メルセデスが最速タイムをマーク。アウアー/エンゲル組は2回目の予選こそポールポジションを獲得した一方でレース1に向けた予選1回目では5番手に甘んじ、エミル・フレイ・レーシングの69号車フェラーリ296 GT3に最速の座を譲ることとなった。
迎えたレース1はその69号車フェラーリがホールショットを奪った一方、フロントロウに並んだ51号車フェラーリはスタートでマービン・キルヒホーファー駆る59号車マクラーレン720S GT3エボ(ガレージ59)にかわされ3番手に順位を落とす。
しかし序盤から接近戦が続くなかで迎えたレース中盤、義務付けのピットタイミングで51号車フェラーリは前を走る2台よりピットインを1周遅らせるオーバーカットに打って出て逆転に成功。ロベラから乗り替わったアブリルは、必死のディフェンスでアウトラップを凌ぎきった後も69号車フェラーリをパスした59号車マクラーレンに迫られたものの、これを退け0秒658の差でトップチェッカーを受けた。
ポールシッターのエミル・フレイ69号車フェラーリは最終的に3位でのフィニッシュに。姉妹車の14号車フェラーリが4位で続き、5位にAFコルセの50号車フェラーリ、6位に48号車メルセデスが入っている。トップから6位までのタイム差はわずか3.8秒だった。

2度のフルコースイエロー(FCY)とその後のセーフティカー(SC)が介入したレース2もまた接近戦が展開されたが、トップの座は一貫してディフェンディングチャンピオンのものだった。
エンゲルがスタートドライバーを務めた48号車メルセデスは、ポールスタートから隊列をリードすると1回目のFCYとSC明けのリスタート後も順位をキープする。ウインワードの完璧なピットストップによって送り出されたアウアーもコース上のアクシデントによって導入されたFCYとSCの介入を受けながらも自身の仕事を完遂。見事、トップでフィニッシュラインをまたぎ今季初優勝を飾った。
トップ車両から1.3秒おくれてチェッカーを受けた32号車BMW M4 GT3エボ(チームWRT)は7番グリッドからスタートした後、ピット作業でジャンプアップに成功し2位のポジションを獲得。同じくピットでライバルを逆転した96号車ポルシェ911 GT3 R(ルトロニック・レーシング)が最後の表彰台を確保した。
一方、予選トップ3につけた後、オープニングスティントで2番手争いを展開した69号車フェラーリと78号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(バーウェル・モータースポーツ)はレースの中盤以降、表彰台争いから脱落し78号車が7位、69号車は9位に終わっている。
GTWCヨーロッパの次戦は、5月16〜18日にオランダで行われる第3戦ザントフォールトでのスプリント・カップ第2ラウンドだが、その直前今月13〜14日にはベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで『クラウドストライク・スパ24時間レース』の公式テスト“プロローグ”が予定されている。