バレンティーノ・ロッシ、MotoGPキャリア16年間をともに歩んだヤマハのブランド・アンバサダーに就任
2023年5月10日（水）14時52分 AUTOSPORT web
4月30日、ヤマハ発動機株式会社はロードレース世界選手権において9冠を達成したバレンティーノ・ロッシと複数年のアンバサダー・サービス契約を締結し、公式ブランド・アンバサダーに任命したと発表した。
ロッシは、1996年にロードレース世界選手権デビューを果たして以来、長期に渡って活躍を見せてきた。そんな彼のロードレース人生の大半をともにしたヤマハとの始まりは、2004年のMotoGPクラスへの参戦だった。
ホンダから移籍後、初のレースとなった開幕戦の南アフリカGPで優勝を飾ると、16戦中9勝を挙げてチャンピオンを獲得した。その後、ロッシの勢いは衰えずに、2004年と2005年、そして2008年と2009年に計4度の世界チャンピオンに輝いた。
2010年を最後に2年間はヤマハから一度離れたが、2013年に再びヤマハに戻り、引退までともに戦った。2021年には、惜しまれながらもMotoGPから去ったロッシだったが、ヤマハで過ごした16年間で142度の表彰台と56度の勝利を挙げている。
驚異的戦績を挙げ、比類なきレースへの情熱を注いだロッシは、世界中が認める選手として『GOAT（Greatest of All Time）』の称号が与えられ、愛用したゼッケン『46』も永久欠番になるほどのレジェンドライダーだ。
そんな彼は、引退後もトレーニングやレジャー用にヤマハのマシンに乗り続けたいという希望を持っていることから、ヤマハのブランド・アンバサダー就任の契約に至ったという。MotoGPのレースでは、彼の姿を見ることはできないが、ヤマハの製品やマシンを通して再びロッシの姿を見ることが出来そうだ。
小野哲氏
「何よりもまず、この場を借りて、ロッシ選手がパートナーシップ継続に合意してくれたことに感謝の意を表したいと思います。当社は彼をブランド・アンバサダーとして迎えることを誇りに思いますが、彼自身からその希望が伝えられたことで、より一層、気持ちが高まっています。世界選手権9冠の選手から認められることはモーターサイクル・ブランドにとって最高の推薦となりますし、当社製品の品質や企業文化の証ともなります」
「当社はお客様に『感動』をお届けするために、常に努力を続けています。モーターサイクルレースのGOATであるロッシ選手がヤマハ製のモーターサイクルを熱望していること、また当社との緊密なパートナーシップ締結を喜んでくれていることをうれしく思います。当社としては、トレーニングやレジャーを目的としたモーターサイクルで彼のニーズに応えるために、この契約を締結しました。ヤマハ発動機ブランドをより一層、強化するため、彼とともに仕事をする日を楽しみにしています」
リン・ジャービス氏
「ヤマハ発動機にとって素晴らしい瞬間であり、また、ロッシ選手が大成功をおさめたMotoGPを引退して以来、その存在を恋しく思っているであろうファンの皆様にとっても感動的な展開であると確信しています。ロッシ選手とYZR-M1は特別な絆で結ばれていました。彼の加入によって私たちのMotoGPプログラムは完全に変化し、ロッシ選手とヤマハ発動機がほぼ同義語になるまでになったのです。私たちはともに多くの勝利、表彰台、そして4つのタイトルを獲得しました」
「そしてその裏側にもさまざまな感動の瞬間があって、ハードワークだけでなく楽しい部分も含めてレースへの情熱を共有してきました。私たちはいつもロッシ選手を『家族』と思っていましたから、彼がヤマハ発動機のモーターサイクルを使い続けたい、ブランド・アンバサダーになりたいと表明したとき、私たちはすぐさま、それを実現すべく動きました。ロッシ選手が正式に私たちのアンバサダーになったことを、とてもうれしく思っています」
「ヤマハ発動機との契約は、間違いなく大きな感動を与えてくれたよ。長年にわたって一緒に仕事をしてきたから、とても自然な感覚だ。MotoGPを引退したあとも、僕はトレーニングとモーターサイクルでのライディングを続けている。常に何らかの形でレースを続けていこうと思っていたのです。MotoGP参戦中は契約の一部としてヤマハ発動機のモーターサイクルに乗っていたけれど、引退後もヤマハ発動機のモーターサイクルを使い続けて楽しんでいる。契約が締結され、ヤマハ発動機と僕が協力し合えるようになったことをうれしく思うよ」
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