アルピーヌ、水素エンジン搭載プロトタイプ『アルペングローHy4』を発表。WECスパでデモ走行も予定
2024年5月10日(金)21時25分 AUTOSPORT web
![](https://news.biglobe.ne.jp/sports/0510/3795482772/ats_3795482772_1_thum800.jpg)
アルピーヌは5月10日、この週末にスパ・フランコルシャン・サーキットで開催されるWEC世界耐久選手権のスパ・ラウンドに先駆けてデモ走行を予定する水素エンジン搭載のコンセプトカー、『Alpenglow(アルペングロー)』の最新バージョンを公開した。
WEC第3戦スパ6時間レースの予選日となる10日(金)の午前中に発表された『朝にベルギーのサーキットで発表された『アルペングローHy4』は、2022年のパリモーターショーで初めて披露されたショーカーからいくつかの大きな変更が加えられている。
アルピーヌは、2.0リットル直列4気筒ハイドロゲン内燃エンジンを搭載したこのマシンを“本物のローリング・ラボ(走る実験室)”と表現し、将来的にル・マン24時間レースに水素エンジン搭載マシンで参戦することに明確な関心を示した。
「モータースポーツの脱炭素化に積極的に参加する一環として、水素内燃エンジンは非常に有望なソリューションだと考えている」と語るのは、アルピーヌ・モータースポーツ副社長のブルーノ・ファミン。
「私たちは、水素が次世代の耐久スポーツカーの脱炭素化に不可欠なステップになることを知っており、とくにコンパクト化と性能向上のために液体貯蔵に切り替えることができれば、F1カーにも適用できる可能性がある」
「アルペングローのプロトタイプは、将来の水素エンジンを開発するための本物の技術研究所であることを完璧に示している」
ベルギーを代表するオールドトラックで発表されたアルペングローの最新バージョンは気体水素を動力源とし、4気筒エンジンは約250kW(約340PS)を発生し、最高速度は270km/hに達する。
アルピーヌによれば、このクルマはレースコンディション下で100kmを走行できるという。水素タンクは55リットルのものが3つ備えられ、気体状態の水素は700バールに加圧された状態で貯蔵される。
しかしファミンは、アルピーヌがすでに液体水素への切り替えに取り組んでいることを明らかにし、Hy4の後継モデルはV型6気筒エンジンを搭載すると述べた。
「私たちは、これがレースのための道だと確信しています」とファミンは述べ、水素ガスに比べて貯蔵が容易で航続距離が長いという利点と、液体で水素を貯蔵することにともなう大きな課題を指摘した。
この分野で先を行くトヨタは昨年、水素を燃料とするカローラH2コンセプトで同様の転換を図っている。日本のメーカーはこれまでに計3回、水素エンジンを搭載したカローラで富士24時間レースに参戦している。
初期のアルペングロー・コンセプトとは異なり、Hy4は2シーターで、全幅と全高の点でWECのトップカテゴリーを走るハイパーカーに近いプロポーションを特徴としている。
WECスパの決勝日にあたる5月11日(土)の午前中に行われるデモンストレーション走行では、ラリークロスのドライバーであるギヨーム・ド・リダーがアルペングローのステアリングを握る予定だ。
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