遅すぎる予選ペースに「イライラし始めている」とポルシェのエストーレ。ロングランは復調の兆し

2025年5月10日(土)10時30分 AUTOSPORT web


 ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ(PPM)のケビン・エストーレは、WEC世界耐久選手権第3戦『スパ・フランコルシャン6時間レース』の予選で、ワークスチームのポルシェ963が2台とも“二次予選”のハイパーポール進出を逃したことを受け、「フラストレーションを感じ始めている」と認めた。


 WECの現ドライバーズチャンピオンであるエストーレが予選で乗り込んだ6号車ポルシェは、2分01秒512というタイムで総合12番手となり、チームメイトであるジュリヤン・アンドラウアーの姉妹車5号車がすぐ後ろの13番手に。PPMの2台は、ポールポジションを獲得した50号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)からそれぞれ1.895秒、1.971秒の差をつけられている。



 ポルシェ・ペンスキーのワークスカー2台が揃って予選ファーストステージで敗退したのは、開幕戦『カタール1812km』以来、2戦ぶり今シーズン2度目だ。エストーレは先月、イモラ・サーキットで行われた第2戦ではハイパーポールに進出し、予選10番手となった。


 このフランス人ドライバーのスパでの予選は、6号車ポルシェがターン11の出口でわずかにコースアウトし、右リヤのボディワークを破損したことで終わりを迎えた。エストーレは次のように説明した。


「ハイパーポールに進出するために必死でプッシュしていたところ、グラベルにホイールを落としてしまった。テールはとくに脆い部分があるんだ」


「ホイールが落ちた際、砂利がテールを​​掴んでその部分を壊してしまった」


「とにかく、ラップタイムは充分なものではなかった。正直に言って、本当にフラストレーションが溜まっている。ペースが足りない。とくに予選では顕著だ」


「一方、今週末のレースペースは、これまで見た限りではそこまで心配していない。トップレベルとはいかないまでも、まあまあといったところだ。しかし、予選では明らかにペースが足りていない。今年に入ってからずっとだ」


「正直に言うと少し心配している。他のチームほどパフォーマンスを引き出せない原因が、一体どこから来ているのかよく分かっていないんだ。すべてを分析しなければならないが、他のチームが昨年と比べて大きな進歩を遂げているのは間違いないだろう」


 エストーレは、土曜日の14時(日本時間21時)にスタートが切られる6時間レースでのポルシェの展望について、やや楽観的な見方を示し、カタールとイモラでの過去2回のレースと比べドイツメーカーが跳ね馬に「より近づいている」と述べた。


 イモラでは、エストーレ/ローレンス・ファントール/マット・キャンベル組は総合8位でフィニッシュし、6号車ポルシェのクルーにとって今シーズン最高のフィニッシュとなった。



WECスパではル・マン初参戦が決まっている現フォーミュラE世界チャンピオンのパスカル・ヴェアラインが6号車ポルシェ963に合流している

 注目すべきは、キャンベルが今週末ラグナ・セカで開催されるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦するため、ポルシェはエストーレとファントールのチームメイトとして現ABB FIAフォーミュラE世界チャンピオンであるパスカル・ヴェアラインを起用していることだ。


「今朝のフリープラクティス3回目(FP3)で他のチームの予選シミュレーションを見たが、昨日の僕たちよりもかなり速かった印象だ。だが、決勝レースではもう少し接近できると考えている」と彼は語った。


「今朝と昨日のプラクティスでのロングランを見る限り、トップ5に入れる可能性がありそうだ。少なくともそのあたりには来ているように思う」


「実際には他のチームの燃料搭載量やタイヤの使用状況が分からないので何とも言えないが、それでもイモラよりも近いところにいると思うし、カタールよりも差が小さくなっているのは確かだ」

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