「漫画みたいな野球がしたい」韓国の二刀流逸材がMLB直行を決断 背景にあった大谷翔平も浴びた「プロでは無理」の“逆風”
2025年5月10日(土)7時0分 ココカラネクスト

大谷も幾度となく二刀流挑戦に対して否定的な意見を受けてきた一人だ。(C)Getty Images
アジアから世界へ——。韓国球界の超逸材がメジャーリーグ移籍を決断したという。
現地時間5月8日、日刊紙『朝鮮日報』をはじめとする複数の韓国メディアは、光州高に所属していたキム・ソンジュンがレンジャーズと契約合意したと一斉にすっぱ抜いた。
【動画】右翼席へ伸びる!伸びる!大谷翔平が9回二死から11号アーチ
ポテンシャルの高さは「韓国の大谷」という異名が示している。右投げ右打ちのキム・ソンジュンは、投手と遊撃手を兼務する二刀流選手。185センチ、83キロという体躯から最速152キロの4シームを投じる肩の強さに加え、今季公式戦10試合で打率.333、1本塁打、8打点、3盗塁、長打率.590をマークした非凡な打撃センスも魅力でもある。
無論、国内のプロ野球界が見逃すはずがなかった。『朝鮮日報』によれば、実際、キム・ソンジュンはKBO球団の垂涎の的となり、今ドラフトの目玉とも目されていた。
しかし、18歳は海を渡る決意をした。その背景にあったのは、国内に“逆風”があったからだという。ニュースサイト『Financial News』によれば、当初、光州高野球部のチョ・ユンチェ監督は、「国内野球を経てメジャーリーグに進出するのはどうかと勧めた」という。しかし、本人がこれに反発。「大谷翔平(ドジャース)のように投手と打者を並行してやりたいという意志が本当に強くあった。国内のプロ野球球団では投打兼任が事実上不可能だったので、メジャーへの直行を選んだ」という。
実際、KBOの球団関係者たちの声は、野手として評価する声が大半を占めていたという。同メディアの取材に応じた匿名のスカウトマンらの間では、「打者として評価する声が大きかった」。
かつて大谷がそうであったように、「二刀流はできない」「どちらかに絞るべき」という風潮が渦巻く中で、キム・ソンジュンは己の信念を貫いた。そんな若武者を高く評価したレンジャーズは、昨オフに失敗に終わった佐々木朗希獲得に利用するはずだった国際ボーナスプールから資産を賄う形で交渉を成立させた。
無論、ここからどう成長するかは未知数ではある。それでも「自分は他の人が簡単にできない野球をしてみたい」と声高に語るティーンエージャーには興味しかない。『Financial News』のインタビューでキム・ソンジュンは、こうも続けている。
「そして、僕は、日本に大谷がいるなら、韓国にはキム・ソンジュンがいるぞという感じにしたい。先発として遊撃手でプレーした後に、決勝打を打って、抑えの投手として登板してセーブするような漫画のような野球をやってみたい」
夢を追い求め、現実的な国内でのプロ野球生活の道を断った。そんな「韓国の大谷」の今後は注目しがいがありそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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