井上尚弥の“衝撃ダウン”をフルトンはどう見た? “怪物”の階級上げにも持論「俺は上がれなくなるまで行くべきと思う」

2024年5月11日(土)17時0分 ココカラネクスト

井上が繰り広げたネリとの攻防を、かつてのライバルであるフルトンはどう見たのか。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext、(C)Getty Images

 昨夏に“怪物”の強さを目の当たりにした名手は、世界を沸かせた一大決戦に私見を披露した。

 元WBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)は、現地時間5月10日にフィラデルフィアで行われたIBF世界ウェルター級王者のジャロン・エニス(米国)とのIBF同級3位コーディー・クロウリー(カナダ)の記者会見に登場。今月6日に東京ドームで元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)を破った世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)について語った。

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 井上の勝利は実に刺激的だった。初回にプロ初ダウンを喫したモンスターだったが、徐々に挽回。2回と5回に左フックでそれぞれダウンを奪うと、最後は6回に素早いコンビネーションから右ストレートを一閃。すでにグロッキー状態だった悪童をねじ伏せた。

 直後に発表された米老舗専門誌『The RING』のパウンド・フォー・パウンドでも1位に選出された井上。彼に対する評価をさらに高めたネリ戦のパフォーマンスについて米ボクシング専門YouTubeチャンネル『Fight Hype』で問われたフルトンは、「1回の(井上の)ダウンは予想してなかったけど、良い試合だった。2人ともよかったよ」と試合内容を称賛。「イノウエにはおめでとうと言いたい」とメッセージを発信した。

 さらに「かなり面白い展開だった」と強調するフルトンは「ダウンを奪われた後にイノウエは復活して、自分のリズムを取り戻して、距離を保ちながら、右をどんどんと当てていった。それが全てだったと思うな」と分析。一部で論争の火種ともなっているダウンを取られた井上に対する持論と展開する。

「あれはボクシングではよくあることだ。少なくとも問題にはならないはずだ。俺との試合じゃイノウエに付け入る隙はなかった。彼と再戦したいか? そうだな、もちろん名誉挽回はしたい。あの試合じゃ、俺にダメな点がかなりあったからね。でも、あの日は勝つべき男が勝ったと思う」

 すでに井上は次戦でIBF&WBOスーパーバンタム級1位のサム・グッドマン(豪州)との対戦が有力視されている。一部の米メディアではフェザー級への階級上げを求める声も上がっている。

 そんなライバルの階級上げについて、自身はフェザー級転級をしているフルトンは「うーん、どうだろうな」と考え込みながらも、「俺は上がれなくなるまで行くべきだと思う」と断言。「肉体的、年齢的に『ピークだ』と感じない限りは上げるべきだ。少なくとも俺はそうする。もちろん脳にダメージが溜まる前にはやめた方が良い。どうなろうと、脳と身体にはダメージが残るからね」と続けた。

 現地時間6月15日にWBA世界6位のルイス・ヌニェス(ドミニカ共和国)と対戦予定となっているフルトン。ここで勝利し、王座獲得への道を開ければ、将来的なフェザー級転級が囁かれている井上との再戦もあり得そうだが、はたして、どうなるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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