角田裕毅との交代後も不振…苦境のローソンが今季2度の解雇危機 元F1戦士が苦言「レッドブルは代役を探し始める」
2025年5月11日(日)12時0分 ココカラネクスト

シート交代でレーシングブルズに行ってからも本領を発揮できずにいるローソン。(C)Getty Images
俊英ドライバーにシビアな目が向けられている。
今季のF1において小さくない話題を振りまいているのは、ニュージーランド人ドライバーのリアム・ローソンだ。レッドブルに昇格して開幕を迎えた23歳だったが、成績低迷が続いた2戦目の中国グランプリ(GP)後に降格が決定。角田裕毅と入れ替わる形でレーシングブルズの一員となった。
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その若さから経験値の少なさを露呈してしまったローソン。一部ではマシンに適応する間もなかったレッドブルの判断を「いじめのような仕打ちだ」(元F1ドライバーのギド・ファン・デル・ガルデ氏談)と断じる声も上がった。実際、開幕3戦目でのシート交代は「聞くのは辛かった」と振り返る本人にとってもショッキングなものであったのは想像に難くない。
ただ、レーシングブルズ移籍後も開幕で“躓いた”心理的な影響からか、ローソンの調子は芳しくない。慣れのある古巣のマシンでアイザック・ハジャーとともに上位進出を目指しているものの、シート交代後に消化した4戦で獲得ポイントはゼロ。サウジアラビアGPでの12位が最高順位となっている。
低調なパフォーマンスに終始しているローソンに対しては、レーシングブルズからも解雇すべきではないかという意見が飛んでいる。英紙『Daily Express』は、元F1ドライバーのファン・パブロ・モントーヤ氏が「本当のことを言おう。正直にね。リアム・ローソンがこれ以上に改善される兆しがないなら別の選手が起用されると思っている」と語ったことを伝えた。
かつてマクラーレンなどで活躍したレジェンドは、「仮にシート交代があっても驚きはない。全くね」と断言。ローソンの精神的な不安定さを問題視した。
「リアムは昨年から白羽の矢を立てられ、いい仕事ができることを証明してきた。だから、彼にレッドブルのシートは与えられた。あの時の彼はそれを勝ち取るだけのパフォーマンスを見せていた。しかし、レッドブルの状況は複雑で、彼に非常に強いダメージを与えたと思う。今の彼には精神的治療も必要だと思う。もし、ここから彼がすぐにでも回復しなければ、レッドブルは代役を探し始めるだろう。それがレッドブルだ」
名門で生きる厳しさを説いたモントーヤ氏。そんなレジェンドの言葉を伝えた『Daily Express』は、「ローソンはドライバーとしての成績が改善しなければ、2度目の解雇の可能性を警告された」と強調。そして、若きドライバーが置かれた現状を酷評している。
「レッドブルが最初から角田裕毅を起用すべきだったという意見もあった中で、ローソンはレーシングブルズに移籍しても、成績は大きく改善していない。才能ある若手ドライバーのアルヴィド・リンドブラッドが控えていることもあり、ローソンがF1から完全に撤退してしまうのではないかと懸念すらされている」
このまま低調なパフォーマンスを続ければ、間違いなくレーシングブルズでも立場はなくなる。果たして、ローソンは自身に吹き付ける逆風をはねのけ、ふたたび勢いを取り戻すキッカケを掴めるだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]