甲子園のヤジに阪神OB岡田彰布氏「精神的にタフになれる」

5月11日(水)16時0分 NEWSポストセブン

甲子園のヤジが選手を強くする?

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 巨人の元エース・上原浩治(現ボストン・レッドソックス)が、「世界一のアウェー」と評したのが甲子園での阪神戦だった。熱狂的な虎ファンたちの手厳しいヤジは敵チームを怯えさせてきたが、口の悪いファンも阪神の選手にとっては心強い味方……かと思いきや、ひとたびミスが出ると可愛さ余って憎さ百倍。「伝統の一戦」の相手・巨人選手より激しくボコボコにされる。


 4月26日に甲子園で行われた阪神対巨人戦、4回裏、鳥谷敬が塁間に挟まれると、「おいおい鳥谷! 少年野球か! アニキ(金本知憲・監督)にしばかれるで!」と罵声を浴びせ、三振に倒れた選手には、「お前、三振タイガースやないか!」と定番の(?)ツッコミ。


 しかも、この日は途中までリードしていた阪神が逆転される展開に。6回表に四球を挟んだ5連打で試合がひっくり返されると、前の回まで喝采を送っていた先発・藤浪晋太郎にも、


「ストライクばっかり投げやがって! ファミスタとちゃうぞ」


 と掌返し。ストレスが溜まってくると、毎日放送のテレビ解説席に座る前監督・和田豊氏(現シニアアドバイザー)もとばっちりを食う。


「呑気に解説しとる場合ちゃうやろ! あんたが滅茶苦茶にしたからアニキが苦労しとるんやぞ」


 そんな阪神ファンが唯一静かになるのが7回表の相手チームの攻撃中。ラッキーセブン(7回裏の攻撃)に備えて虎ファンたちがジェット風船を膨らまし始めるからだ。ただし、いったん膨らませ終わると、「おい藤浪、まだ終わらへんのか。早よせぇ! 風船がしぼんでしまうがな」とまた騒ぎ始めるのであった。


 この日はラッキーセブンでも再逆転できず。9回裏、代打・板山祐太郎の大飛球も巨人のセンター・立岡宗一郎がナイスキャッチ。スタンドからはため息まじりに、


「タピオカ〜(立岡を揶揄する阪神ファンの定番ヤジ)」


 という力ない声が漏れ、そのまま3−5でゲームセット。試合後、阪神ファン歴30年という大阪府在住の会社員・桧川和昭さんはこう語った。


「今日は負けてしまったけど、とにかく、なんとか選手や監督をヤジでドキッとさせようとスポーツ紙から女性週刊誌まで読み漁って情報を集めてますわ。選手の実家の商売の話や家計状況まで調べますよ」


 かつて巨額の借金問題が取り沙汰された巨人・桑田真澄に、「桑田! カネ貸したろか」のヤジを飛ばし、フリーアナウンサー・山本モナとの不倫騒動が報じられた二岡智宏を「モナ岡〜、五反田〜、9800円〜」とからかった甲子園のファンの存在感はやはり異色だ。現役時代に阪神で4番を打ち、監督も経験した岡田彰布氏も、甲子園のヤジは印象に残っていると語る。


「そら、温かいヤジなんか一個もあれへん。聞こえて来るのはキツいヤジばっかり。いちいち気にしていたら甲子園で野球なんかやってられへん。ただ、“ここで打てんかったら、スタンドからヤジられ、スポーツ紙に叩かれ、家にも帰られへん”というプレッシャーと戦ううちに、精神的にタフになれるのも確かや」


 5月10日からは、また甲子園で巨人—阪神の2連戦。伝統の一戦に、爆笑ヤジが彩りを加える。


※週刊ポスト2016年5月20日号

NEWSポストセブン

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