ドジャースの縁の下を支える“力持ち”ベン・カスペリアスがフル回転…高い身体能力も魅力
2025年5月11日(日)9時30分 スポーツ報知
ドジャースのベン・カスペリアス投手(26)が“縁の下の力持ち”としてチームを支えている。ここまで主にロングリリーフとして12試合25回2/3を投げ、エースの山本由伸投手と並んでチームトップの4勝、28奪三振、防御率2.81と活躍中だ。
平均96マイル(約155キロ)の直球と決め球のスライダーを武器に、打者をねじ伏せる力投型右腕。マイナーでは主に先発だったが、今春キャンプから本格的に中継ぎとして準備し、開幕に臨んだ。スネルとグラスノーがけがで離脱して空いた先発ローテの穴を埋めるため、4月23日のカブス戦でメジャー初先発のマウンドにも立つなど、チームに“幅”を持たせる存在。バスケットボールでもプロを目指せたのでは、というほどの高い身体能力も魅力の一つだ。
メジャーデビューは昨季8月31日のDバックス戦。中継ぎで1イニングのみの登板を果たし、直後にマイナーに戻ったが、9月に再び昇格。プレーオフにも帯同し、4試合に登板した。「こんなに才能あふれる選手たちによって構成されているチームの一員として今ここにいられることをとても光栄に感じている」とスター軍団でもまれ、刺激を受けている。
今季ここまでのハイライトは、4月27日のパイレーツ戦。先発グラスノーが初回終了後に右肩の違和感を訴えて緊急降板したことを受け、カスペリアスはウォーミングアップすらしていない状態から急きょマウンドに上がった。それでも3回2/3を無失点に抑え、勝利投手に。「さすがに慌てたよ。『好きなだけ時間を取っていい』と言われたとはいえ、できるだけ急いで準備した。無事に試合を作れて良かったよ」と仕事を果たした。準備が不十分で故障のリスクもあったはずだが「いや、(チームの)自分への信頼に応えたい。ただ、それだけだった」と言い切る姿も男気あふれるものだった。
グラウンドを離れれば、好青年そのもの。趣味はビデオゲームと旅行。これまでに訪問した国の中で最も好きなのはイタリアだという。最も好きな食べ物を問えば、他の質問よりも悩んだ末に「ステーキとピザ。どっちも好き過ぎて選べないよ」と屈託のない笑みを浮かべた。
投手陣が13人負傷者リスト(IL)入りするなど台所事情が苦しい中、必要とされるところで高いパフォーマンスを発揮できる存在は極めて貴重だ。大谷、ベッツ、フリーマンらスター選手が輝きを放つド軍において、若くしていぶし銀の働きを見せる右腕がチームを支えている。(村山みち通信員)
◆ベン・カスペリアス(Ben Casparius)1999年2月11日、コネティカット州生まれ。26歳。コネティカット大から2021年アマチュア・ドラフト5巡目(全体162位)でドジャース入り。マイナーの各クラスを経て、24年8月31日のDバックス戦でメジャーデビュー。同年にポストシーズンでも4試合に登板して、ドジャースの世界一に貢献した。188センチ、97キロ。右投右打。