井上尚弥を挑発も総スカン “問題児”カシメロの窮状を元トレーナーも嘆く「イノウエを倒せる可能性もあった」

2024年5月12日(日)6時0分 ココカラネクスト

井上の決戦をエキサイトしながら見つめたカシメロ。だが、彼自身の存在感は薄れるばかりだ。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext、(C)Getty Images

 去る5月6日に東京ドームで実現した一大決戦後に、元世界王者が放った挑発的な発言は、ボクシング界で異次元の存在となった井上尚弥(大橋)との差を虚しくも物語った。

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 元世界3階級制覇王者のジョンリル・カシメロ(フィリピン)は、5月6日に東京ドームで行われた世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上と、元世界2階級制覇王者・ルイス・ネリ(メキシコ)によるタイトルマッチを観戦する模様を自身のSNSで公開した。

 衝撃的な試合展開は周知の通りだ。初回にまさかのキャリア初ダウンを喫した井上が、そこから容赦なく攻め立て3度のダウンを奪取。終わってみれば、ネリを防戦一方にする圧勝劇だった。

 地元の仲間内で試合を観戦していたカシメロは、両雄の一挙手一投足に大興奮。井上のダウンシーンには「ワオォ! すげぇぞ」と絶叫した35歳は、フィリピン・メディア『FASTBREAK』で「俺がイノウエを殴ったら、あいつは白目をむくだろう」と発言。以前から「亀野郎」と罵ってきた井上をふたたび挑発した。

 だが、薬物検査の拒否など自身の蛮行で一線級から退いた感があるカシメロ。それだけに最盛期にある井上に対する発言は、国内でもシラケムードが漂っている。かつて、稀代の“問題児”を指導していた敏腕トレーナーのノノイ・ネリ氏は、フィリピン紙『Daily Tribune』で「残念だね。まったく残念だ」と吐露。そして、タイトル戦線から遠のく元世界王者の窮状を嘆いている。

「今、彼(カシメロ)の周りにはボクシングを全く知らない人たちがいる。彼には素晴らしいパワーがあり、素晴らしいパンチが打てるんだけどね……。彼こそイノウエを倒せる可能性もあった選手だと私は思うが、この現状では対戦する機会すら与えられないだろうね」

 この名伯楽のコメントを紹介した『Daily Tribune』も、かつてのトップランナーの現状に、「ふたたび存在感を示すには思い切った行動を取るほかにない。彼が望んでいたイノウエとの試合も天変地異でも起きない限りは可能性もない」と断じた。

 どんどんと邁進する井上との差は広がるばかり。そんな現状をカシメロは受け止めきれていないのかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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