影山技術委員長、U―22・Jリーグ選抜のポストユース施策について語る「プレーすることがどれだけ重要か」
2025年5月12日(月)21時46分 スポーツ報知
日本サッカー協会(JFA)は12日、都内で技術委員会を開催し、影山雅永・技術委員長がブリーフィングを行った。
4月21、22日に第1回が行われたU—22・Jリーグ選抜の活動について報告がされた。これはJFAとJリーグが協働し行うもので、ポストユース年代(19〜21歳)の強化育成を目的とする施策。13日には大阪で第2回(関西学生選抜戦)が行われる。技術委員会では選手たちのパフォーマンスの分析発表が行われたそうで、影山委員長は「(ゲーム勘など)日常がどうしても出てしまうというところに関しては、改めて突きつけられた課題」と振り返った。
先日の第1回(秋津サッカー場)ではJリーグ・U22選抜が関東大学選抜と対戦し、0—0からのPK戦7—8で大学選抜に敗れた。この試合の分析として、U22のJリーグ選抜(2月14日のJ開幕〜)の今季総出場時間(18人)が1707分、1人あたり94・8分であるのに対し、大学選抜チーム(リーグ戦は4月5日開幕)は、総出場時間が4119分、1人あたり228・8分と普段の出場時間に差があることもデータとして示された。
影山委員長は「日常でどれだけプレーしているかが、パフォーマンスに表れるというのは改めて考えさせられる」と繰り返し、「新しい(プロの)環境でインテンシティー(強度)やスピード感も変わっていく。そこでプレーをしていないと、彼らの成長は止まってしまうのではないか、そういう意味で示唆を感じられる試合になったという意見(が出た)。ゲーム勘がなくなっている、元々持っているパフォーマンスができなくなっているね、という意見が多かった」という声が挙がったことを紹介した。
その上で「ポストユースの年代の選手たちがプレーすることがどれだけ重要か、様々な立場で認識することができた。明日第2回、選手たちのパフォーマンスを見ていきたい」とした。今後の方向性については「今年初めてやっているが、引き続きやっていきたい。JリーグがU21ポストユースリーグを(秋春制移行とともに)始めようとしていて、代表チームの活動もある。その中でJFAとしても、代表に入ってこられなかったり、出場時間がなかったりで(選手が)パフォーマンスを落としてしまうのではなく、逆に伸びていってもらいたい。いくらでもタレントが無限に出てくる国ではありませんから、才能を持った選手をさらに成長させるためにどうしていくかという、こういった施策は素晴らしいもの」と語った。
また、この日の技術委員会後のブリーフィングでは、これまで育成部会に組み込まれていた「ゲーム環境部会」が新たに発足することも発表になった。5つの部会から、さらに一つ増える。ゲーム環境部会の部会長は、技術委員会副委員長の蔵森紀昭氏が務める。
影山委員長は発足について「自国の選手、サッカーの成長に欠かせないもの。テクニカルなところと、これから環境をどう整えていくか、これは年代別のところもあり育成部会の中では扱うのが難しい。次世代に向けて、ゲーム環境をさらに良くしていくということを今こそやらなければならない。U18、U15、U12年代に関して、さらなるゲーム環境の発展に関して話し合っていく」と説明した。