【玉ノ井親方 視点】2日目だが豊昇龍はもたついた先場所と比べると天と地の差 厳しい攻めが印象的
2025年5月12日(月)19時37分 スポーツニッポン
◇大相撲夏場所2日目 ○豊昇龍(寄り倒し)若元春●(2025年5月12日 両国国技館)
初日、2日目の相撲を見て強く印象に残ったのは、豊昇龍の攻めの厳しさだ。
初日の若隆景戦は突き放しながら一気に前に出て、相手に何もさせず勝負を決めた。
この日の若元春戦も完勝。左で張ってすぐに二本差す。左四つになると力を発揮する若元春にまわしを許さず、相手の上体を起こしながらいっぺんに前に出た。
もたついた先場所の序盤と比べると天と地の差だ。
やはり先場所は新横綱の重圧もあったのだろう。初日に阿炎に敗れた一番は、胸を出すような中途半端な立ち合いで、あっけなく押し出された。
その後も横綱らしい相撲をなかなか取りきれなかった。今場所の攻めが厳しいのは、その苦い経験を生かしているのだろう。
途中休場の原因となった右肘の状態も悪くなさそうだ。春巡業で稽古を重ね、東京に戻ってからもいろいろなタイプの力士と胸を合わせていた。今場所はその貯金がある。まだ2日目が終わったばかりで、何が起きるか分からないが、良いスタートを切れたは確かだ。
(元大関・栃東)