申ジエがここまで強いのは「フォローで球をコントロール」しているから! 真っすぐ出すか、上に抜くか【優勝者のスイング】

2025年5月13日(火)11時45分 ALBA Net

申ジエが大舞台でも正確無比なショットを繰り出せる秘密とは?(撮影:福田文平)

国内女子ツアーの今季メジャー初戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」は、プレーオフを制し申ジエ(韓国)が優勝。37歳での勝利は、大会最年長優勝記録を更新し、永久シードまであと1勝と迫るツアー通算29勝目を飾った。現地を訪れていたプロコーチの南秀樹は、「初日こそスコアが出ましたが、2日目からはグリーンのスピードが上がり“メジャーのセッティング”になりました。ショット力はもちろん、マネジメント力やメンタル面も試される大会にふさわしい舞台でした」と、一桁となった優勝スコアもメジャーらしかったと振り返る。


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難コースで勝利を挙げた申ジエには「海外メジャーでも好成績を残していて、今でも世界で通用するゴルフ」と賞賛。スイングについては「アップライトに上げてから、ダウンスイング以降はクラブをプレーンに乗せて、ベタ足気味でインパクト。フォローではクラブを真っすぐ出したり、上に振り抜いたりして、球の高さをコントロールしタテ距離を合わせていく。多少、左右のズレはあってもタテ距離が狂いにくいので、プレーが安定。上に振り抜く際は、胸の面がやや上に向くものの、両ワキが締まっていて体主体で振っており、腰が引ける人には参考になる動きです」と分析する。
 
国内メジャーを制し、永久シードに王手をかけた精度の高いショットを放つ申ジエからは、打つ前の動作も参考にしたい点がある。クラブを上げる直前の動き“ワッグル”だ。「動かし方やリズム、呼吸の仕方がお手本になります。呼吸するようにタテにワッグルを行い、スイングを円滑に行うための準備ができています。ラインやスイングに対して、こう動かしたいという意図する動きがワッグルから感じられます」。一方で、構えてから固まってしまうアマチュアはボールにフォーカスし過ぎ。動き出しから不安定になりやすく、タイミング次第のスイングになってしまう。
 
スイングは始動がスムーズにいかないと、バラバラになりやすい。ワッグルはその動き出しを大きく変えてくれる。「最初は、軌道や入射角、フェース面もチェックしながら行うのがいいでしょう。どんな風にクラブを動かしたいのかを明確にするのです。また自分のスイングの課題、体をこう動かしたいというポイントがあれば、その動きをワッグルに取り入れるのも効果的。足踏みするなど、体の動きを止めないのも良いリズムを生む要素です」。
 
さらに呼吸を意識するのもオススメだ。「呼吸を意識すると、どちらかといえば体は前後に、タテに動きます。背筋がスッと伸びて、理想的なアドレスが取りやすくなります」。体が左右にブレにくくなって軸がキープしやすくなるわけだ。「練習のときから、スイングに有効なワッグルを取り入れることで、緊張した場面でも自分のスイングがしやすくなります」。自分なりのワッグルを確立してみよう。


■申ジエ
シン・ジエ / 1988年生まれ。韓国全羅道出身。昨年は優勝こそなかったものの、トップ10に4回入り、メルセデス・ランキング17位。さらに「全英女子」では2位タイに入る活躍を見せた。多くの女子プロに慕われ、ゴルフについて聞かれたら何でも答える。スリーボンド所属。

■南秀樹
みなみ・ひでき/プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。

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