「ベルト返上か、俺と戦うか」を訴えたグッドマンは“過信”か 敵陣営は井上尚弥への強気発言を称賛「振る舞いは見事だ」

2024年5月13日(月)17時0分 ココカラネクスト

井上とリング上で対峙したグッドマン。そこでの発言は実に強気だった。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 血気盛んな25歳は、世界が「モンスター」と恐れる男を前にしても堂々と挑戦状を叩きつけた。IBF&WBOスーパーバンタム級1位のサム・グッドマン(豪州)だ。

 興奮冷めやらぬ東京ドームのど真ん中にグッドマンは立った。5月6日、ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)が、WBC同級1位の挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)を6回TKOで撃破した直後に、直々にリングへ招き入れられたのだ。

【動画】悪童ネリに逆襲の右ストレート!井上尚弥がドームを熱狂させた貫禄のTKOの瞬間

 井上が水面下での交渉を明かした。これにグッドマンも力強く呼応する。2団体でランキング1位に君臨し、正当な挑戦権を持つ25歳は、「俺はもう1年以上もチャンピオンが戦うことを義務づけられている挑戦者なんだ。あんたはベルトを返上するか、俺と戦うかだ」と牙をむいた。リングで付き添った通訳者は「自分もベルトが欲しくてここまでやってきた。絶対やりましょう」と表現を緩めたが、彼はたしかにそう言った。

 キャリア18戦無敗(7KO)と敵なしで突き進んできた。ゆえに「打倒・井上」を叶えようと野望を打ち立てるのは必然だった。

 ともすれば、絶対王者に対する過信とも言えるグッドマンの態度。だが。彼の陣営はそれを後押しする。豪興行大手『No Limit Boxing』のプロモーターを務めるジョージ・ローズ氏は、同社のYouTubeチャンネルで「彼(グッドマン)のリングでの振る舞いは見事だった。あの状況は誰であれ、気が遠くなる。でも、イノウエのファンで満員のドームで彼は真っ向から挑戦したんだ」と絶賛した。

 無論、井上の図抜けた実力は承知の上だ。ローズ氏は「モンスターという異名が示すように、イノウエはサムにとってかつてないほどの障壁だ。様々な議論はあるけど、イノウエは間違いなくパウンド・フォー・パウンドで世界最高の選手。当代だけじゃなく、全世代で史上最高のファイターだと誰もが言っている。生ける伝説だよ」と褒めちぎる。

 どれだけ差はあっても、手塩に掛けるグッドマンの知名度を一気に高める絶好機なのは間違いない。ゆえにローズ氏は、「私も、彼も、勝てると信じている」と語気を強めている。

「私は間違いなく世界を驚かせると思っている。サムはイノウエが戦ってきた選手とは違うタイプの選手だと思うし、皆をガッカリさせてしまうかもしれないね。サムが4本のベルトを持ち帰る姿まで見えている」

 一部報道では9月に日本国内で実施されると報じられている井上との決戦。「オーストラリア開催を推し進めるつもりだが、イノウエの日本での人気を考えるとそれは難しいだろう」と惜しむローズ氏も、「ホンダやTop Rankとも良い交渉はできている。もうじき正式発表ができるはずだ。日本のリングは大きな経験にもなるはずだ」と強調している。

 はたして、井上という規格外の強者を相手に、オーソドックスタイプのグッドマンはいかに挑むのか。自信満々といった様子の25歳の奮闘に注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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