SF代役2戦目を迎えるジュリアーノ・アレジ「とにかくミスをせずに全セッション終えることが大事」

2021年5月14日(金)16時30分 AUTOSPORT web

 今年から日本で武者修行を始めているジュリアーノ・アレジ。今週末に行われる全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦オートポリス大会でも、中嶋一貴の代役としてKuo VANTELIN TEAM TOM’Sから参戦し、自身の主戦場である全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権と合わせて、2度目のダブルエントリーを果たす。


 スーパーフォーミュラ初参戦となった第2戦鈴鹿では、いきなり予選Q3に食い込む走りを披露。決勝ではスタートでポジションを落としてしまったものの、徐々にリズムを掴み、ところどころオーバーテイクも決めて9位フィニッシュ。見事ポイントを獲得した。


「初めてのスーパーフォーミュラのレースだったんだけど、しっかりとパフォーマンスを見せられることができてよかったと思っている。とにかく、僕にとってはすべてが初めての経験だから、毎周ラップを重ねていくなかでクルマのことを学んでいっている状態だった」


「とくに予選ではQ1(A組2番手)とQ2(5番手)の感触も悪くなくて、Q3(8番手)ではもう少し攻め込んでみたんだけど、うまくいかなかった。でも、レースウイークに入る前はQ3にいくことが目標だった」


「あそこまでのポジションにいければ、ポイント獲得のチャンスも出てくるし、実際にそうなった(9位入賞)。そういう点で本当にハッピーだったと思うし、そこからより良くするために何をしなければいけないかも明確になった。この経験をもとにさらに前進していきたい」


「スーパーフォーミュラはハンドクラッチだが、GP3やFIA-F2で経験していたから、そんなに不安になることはなかった。ただ、鈴鹿でのスタートはうまくいかなかった。クラッチのバイトポイント(クラッチの繋がるタイミング)をうまく合わせることができなくて、動き出しのときに失速してしまった。そこも合わせ込んでいけば、問題は解決できると思っている」

2021スーパーフォーミュラ第2戦鈴鹿 ライバルたちと順位を争う36号車のジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)


 そう鈴鹿大会を振り返ったジュリアーノ。限られた走行時間のなかで最大限のパフォーマンスを発揮するために、チームが手厚いサポートをしてくれたことも大きかったという。


「僕にとって、スーパーフォーミュラのデビュー戦だったけれど、決して悪いスタートではなかったと思っている。チームも僕が走りやすい環境を整えてくれて、最大限のサポートをしてくれた。すごく感謝をしている」


 しかし、スーパーフォーミュラ・ライツとのダブルエントリーということで、ジュリアーノの鈴鹿での週末は想像を絶するほど忙しいものだった。とくに日曜日のスーパーフォーミュラ決勝レースが終わると、すぐにスーパーフォーミュラ・ライツ第6戦のスタート進行が始まるため、レーシングスーツを着替えてスーパーフォーミュラ・ライツのマシンに乗り込まなければならない。


 ジュリアーノはスーパーフォーミュラ決勝を終えてピット入り口付近にあるパルクフェルメ(車両保管場所)でマシンを降りると、ピット出口に一番近いところにあるトムスのピットへ猛ダッシュしている姿も見られた。


「ダブルエントリーは正直クレイジーな経験だったね(笑)」と感想を述べたジュリアーノだが、その分、全体的な走行距離が増えることは自分にとってはプラスなことだと、かなり前向きに捉えていた。


「僕自身は楽しんでやることができた。ただ、スケジュールがタイトすぎて、ゆっくりトイレに行く時間もないという感じだったけれど、僕にとっては本当に素晴らしい経験だった」

2021スーパーフォーミュラ第2戦鈴鹿 ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)


■初走行となるオートポリスはシミュレーターで予習済み


「ルーキーの僕が、日本で(ダブルエントリーによって)1回の週末にこれだけのマイレージを稼ぐことができる。これは僕にとっては有益なものだ」


「あと、体力的には問題なかった。さすがに日曜日の全部のレースが終わったら疲れは感じたけれど、首や背中は問題なく、レース中もそれで苦戦することはなかった」


「もちろん、ダブルエントリーということは間違いなくタフな週末になるとわかっていたから、トレーニングなど事前の準備はできる限りしていた。予選日の夜もしっかりと休むようにしていたから問題はなかった」


 そして、今回の第3戦もダブルエントリーとなるのだが、舞台は今週末が初走行となるオートポリス。「今年はすべてが初めてだから、しっかりと学ぶことが大事」と繰り返し語っているジュリアーノは、シミュレーターでしっかりとコースの予習も済んでいる。


「シミュレーターを事前に行っておくことで、コースのレイアウトやリズムみたいな部分を覚えることができる。それをやっておくだけでも、いざサーキットにいって驚きを感じる部分が減るからね」


「オートポリスは走っていて楽しいレイアウトだなと思った。たくさんのコーナーがあってアップダウンも多い。いままでのキャリアのなかで、この手のサーキットはあまり経験がないから、実際に走るのがすごく楽しみだ」


「週末の最初はスーパーフォーミュラ・ライツの走行から始まるけれど、そこで実際に走ったコースの感覚などを覚えないといけないから、とても重要な1日になる。なので、できる限りのベストを尽くして臨みたい」


 第2戦鈴鹿では9位入賞を果たしていることもあり、今回はさらなる上位進出を期待せずにはいられないのだが、ジュリアーノ本人は結果を深く追い求めているというよりかは、ミスをせずにすべてのセッションを終えることが一番大切だと考えている。


「繰り返しになるけれど、僕は日本でのレースが1年目で、すべてが初めての経験。とくに今回は初めて走るコースになる。だから、あまり焦らずに色々やっていきたい。そのなかで学ぶ姿勢を維持して、少しでも多くの経験を積みたいし、しっかりとしたパフォーマンスを披露できるようにすることも重要だ」


「でも、何よりもっとも重要なことは、ミスをせずに各セッションを終えること。そのなかで予選ではQ3に進んで、決勝でポイントを獲得できれば嬉しいけれど、まずはクルマを壊すことなく全セッション終えることが何より大事だ」


 もちろん、今週末はスーパーフォーミュラのみならず、スーパーフォーミュラ・ライツのレースもあり、こちらも初優勝の期待がかかっている。予選までの限られた時間のなかで、ジュリアーノはどれほどの適応力をみせるのか。前回にも増して注目の集まる1戦となりそうだ。

ジュリアーノ・アレジ(Deloitte. TOM’S 320)
2021スーパーフォーミュラ第2戦鈴鹿 ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
2021スーパーフォーミュラ第2戦鈴鹿 ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)

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