無双状態のロッテ・佐々木朗希の「難敵」とは 背景にささやかれるWBC余波

2023年5月14日(日)11時0分 ココカラネクスト

ここまで3勝、リーグトップの50奪三振とさらに進化している佐々木朗希(C)Getty Images

 ロッテの佐々木朗希投手が右手の中指にまめができたため先発登板を1度、飛ばすことになった。ただし、出場選手登録の抹消手続きはしておらず、16日からのオリックスとの3連戦(ZOZOマリン)のマウンドで復帰する見通しだ。周囲は開幕から1カ月でまめができたことに大いに心配しているという。

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 昨年は7月1日の楽天戦で同じ右手中指のまめがつぶれて降板。同22日のオールスターゲーム(松山)で先発を務めたものの、レギュラーシーズンでは実戦復帰に1カ月近くかかった。楽天戦の前の登板機会だった6月22日の西武戦の段階でまめができていた。トレーナーらとも協議して一時的に養生したものの、中9日で臨んだ楽天戦では出血を伴う形でまめをつぶしてしまい、復帰の判断が早すぎた。

 佐々木朗はプロ野球での日本人最速記録でもある最速165キロを投げる豪腕ながらまめができやすい体質とされる。大船渡高時代もU18W杯で日本代表として先発した際も右手中指の血まめが割れ、わずか1回、19球で緊急降板したことがある。

 今回も13、14日の日本ハムとの2連戦(エスコンフィールド北海道)で投げる予定だったが、吉井監督も「今週は投げない」としている。それでも9日の西武戦(ベルーナドーム)の試合前練習では外野グラウンドでキャッチボールを実施しており、順調に回復しつつあるようだ。

 心配されるのは昨年よりも1カ月近く早くまめの症状が表れたこと。球界関係者も「3月にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で先発登板した影響があるのでは」と指摘する。

 WBC公式球は大リーグの球も製作するローリングス社製で、ミズノ社製のNPB統一試合球と比べて縫い目の山が高いとされ、リリースの瞬間に指先に負荷がかかり、慣れない投手の場合はまめができやすいという。昨オフはWBCが終了するまでWBC公式球で練習しており、指に何らかの影響を与えた可能性もある。

 トミー・ジョン手術を受ける前のエンゼルス・大谷翔平投手もメジャー1年目にまめができて苦しんだことがある。佐々木朗は昨季果たせなかった規定投球回数到達を今季の目標の一つに定めているが、今後もまめが再発してローテの穴を開ける恐れはある。

 故障の多い投手を「ガラスのエース」と呼ぶこともあるが、スーパーカー級の高出力を誇りながら、部品は耐久性や強度に欠け、せっかくの能力を引き出せない。昨季も投手タイトルを総なめにしたオリックス・山本由伸投手に唯一、対抗できるのが佐々木朗とも言われているが、今季も最大の敵は繊細な指先に潜んでいるようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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