【木村和久連載】ゴルフと車の運転。その引退時期を考察してみる

5月16日(木)7時17分 Sportiva

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第205回

 高齢者の自動車運転による交通事故のニュースが連日のように報道されています。この問題、かなり深刻です。突き詰めていくと、ゴルフの行き帰りの運転にまで飛び火しそうな気がしています。

 まず、車の安全運転問題について考えてみます。

 自動ブレーキが装備された車なら、急発進や急な加速、さらに衝突などがある程度防げると聞いています。そして、これから販売される車のほとんどは、自動ブレーキシステムが標準で装備されるそうです。

 じゃあ、安心ですね……というわけにはいきません。

 なぜなら、70歳以上の方が全員、新車を購入するとは思えないからです。仮に同居する息子夫婦や娘夫婦が新車を買ったとしても、もはや”お年寄り”である父親や母親に運転させるでしょうか?

 息子曰く、「親父に運転させるのは、危なっかしいなぁ〜。(新車に)キズとかつけられたらたまんないしなぁ。じゃあ、親父には車庫の奥にある古い車を運転してもらおう」といった感じになるのではないでしょうか。

 そうなると、世の中のすべての車に自動ブレーキが装備され、その車が老人に行き渡るまでには、10年以上はかかるんじゃないですか。

 ところで、スバリ、免許返納は何歳ぐらいがふさわしいと思いますか?

 宮城県に住んでいた私の伯父さんは、88歳ぐらいまで車を運転していました。ただ、それは交通量が少ない地方だからできたわけで、都会ではたぶん無理だったと思います。

 自動ブレーキシステムが今より進化し、それがすべての車に装備されたとしても、私は85歳ぐらいが限界かな、と見ています。あるいは、80歳か。はたまた75歳か。そこらへんが、免許返納時期ではないでしょうか。

 一般的に75歳以上の免許更新には、高齢者講習に加え、講習予備検査(認知機能検査)も課されるそうです。つまり、行政側が想定している免許返納の推定年齢は75歳ということなのでしょう。

 とはいえ、東京都における75歳の免許返納率が約8%、地方はさらに少なくて約4%だそうです。地方は車が必需品ですから、なかなか免許返納には応じられないみたいですね。

 さて、これをゴルファー目線でとらえますと、免許返納の時期がゴルフの引退の時期と重なりそうです。

 というのも、ゴルフを継続してやっていれば、判断能力、機敏性、運動神経、動体視力などが維持され、車も運転できるのではないか、逆にゴルフをやめると、機敏性や集中力が劣り、車の運転も鈍くなってしまうと思うからです。

 今後、ゴルフと車の運転をやめる時期はほぼ同時にやってくる——そう覚悟しましょうか。

 一方で、車の運転をしてコースに行き、さらにラウンドをこなすとなれば、大いなる問題があります。

 それは、過労運転です。

 実は、道路交通法の罰則規定には過労運転の項目があります。冷静に考えてみて、早朝に車を1時間運転して、それからゴルフをやって、また渋滞を含めて1時間半運転して……という行為は、どうみても過労運転でしょ。特に帰り道に関しては。

 たまたま事故に合わずに家に帰ってくるから、過労運転に気づかないだけ。途中検問があって、疲労度検査があれば、罰則にひっかかる可能性はかなり高いですよね。まあ、そんな検査は聞いたことがないので、現実的にはないことなんですが……。

 そこで、過労運転防止策を考えてみます。

(1)疲れたら寝る
 過労運転が起きるのは、だいたいゴルフの帰り道です。帰り道、眠たくなったら、サービスエリアや道の駅、あるいはコンビニとか、駐車場があるところにすぐ立ち寄って休むこと。それが、重要です。

 ただ、運転席でそのまま寝ると、案外寝づらいもの。かといって、フルフラットシートにして寝ると、そのまま朝まで寝てしまいそうで……となると、これまた大変です。

 とりあえず、シートを倒して、スマホの目覚ましを2時間後ぐらいにセットして、ひと休みするのがよろしいかと思います。

(2)目覚ましグッズの活用
 ドリンクやガムなど、そうした類いの商品はたくさん出ていますから、使えるものは使いましょう。

 加えて、車内のBGMを、あえて自分の嫌いな音楽にする手もあります。ムカムカして、眠気も吹っ飛びます。とはいえ、それが静かなクラシックだったりすると、かえって眠気が増してしまうかもしれないので、ハードなものがいいでしょうね……。

 同時に、嫌なことを思い出すのもアリです。嫌いな上司にいじめられたこととか思い出して、「あいつより、先には死ねない」と思うと、シャキッとします……って、ほんまかいな。

(3)相乗り
 最近、年配のゴルファーは若者を連れて一緒にゴルフをしています。

 そういう年配の方は、やたら若者を可愛がって、「今度、うちのコースに遊びに来ないか。昼メシ、おごってやるぞ。オレのベンツも運転させてやるから」などと甘い言葉を言って誘うのです。要は、若者を運転手代わりに使いたいわけですな。

 まあでも、お礼に福沢諭吉1枚ぐらいもらえたりすれば、「それもありかな」と思う若者は、結構いるみたいですよ。

 通常は、知り合い同士、一緒に相乗りすればいいことです。それで、交互に運転して帰ってくれば、なんとか家に戻ることができます。みなさん、そうやって工夫して、過労運転をできる限り防いでいるのです。

(4)ゴルフでも叩き出した
 コンスタントに100切りプレーしていたのに、最近になって、平気で110ぐらい叩くようになった——これは、明らかな老化です。

 その原因が、飛びすぎてOBを連発して、とかならマシですが、ケアレスミスが多い、となると問題です。たとえば……。

・クラブの番手選びを間違える。
・自らマークしたグリーンマーカーを見つけられない。
・ドライバーであらぬ方向に打ったのに「ファー」が言えなかった。
・打順をよく間違える。
・ぼやっと歩いていて、ボールに当たりそうになった。

 こうしたことが頻繁に起きて、平均スコアが10以上悪くなったら、まさしく”危険信号”です。ゴルフが満足にプレーできていないのですから。

 ということは、車の運転もまともにできていないのかも……。過労運転どうこうではなく、車の運転自体、そろそろ潮時であると思ったほうがいいでしょうね。

(5)誰かに「引退勧告」を頼んでおく
(4)のような状態になったら、過労運転防止というより、車の運転も、ゴルフもやめなければいけない時期に近づいていると言えるでしょう。

 とはいえ、車の免許返納やゴルフの引退というのは、自分で決断することはなかなか難しいです。そこで、家族やゴルフ仲間、あるいはライバルに「そろそろヤバそうと感じたら、”引退勧告”してくれ」と頼んでおくのです。


ゴルフも、運転も、自ら「引退」を決断することはなかなか難しいかもしれませんね...

 ただ、その頃には立派な”頑固ジジイ”になっているでしょう。だから、人の話を聞かない。そんなことも鑑みて、60歳を過ぎたら「”引退勧告”された場合は、自己判断能力がないので、すみやかに(周囲の)指示に従う」といった誓約書など、一筆したためておくのもいいですね。

 どれだけ効果があるかわかりませんが、晩節を汚したくないなら、それぐらいの気構えでいたほうがいいのではないでしょうか。

 何はともあれ、ゴルフは、つまらなくなったら引退です。車の運転における引退のタイミングは、バンパーが擦れるなど、細かい傷がつくようになった時だそうです。

 こすり傷が増えたら、マジでヤバイです。身近に、そんなオジさん、お父さんを見かけたら、即刻”引退勧告”してあげましょう。

Sportiva

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