102回目の開催を迎える世界三大レースのひとつインディ500。紡いできたその歴史を辿る

5月18日(金)19時1分 AUTOSPORT web

 インディアナポリス500マイルレース=通称インディ500は今年で102回目の開催を迎えた。世界でもっとも長く、同じコースで続けて行われている自動車レースだ。


 アメリカ自動車産業の首都と呼ばれるデトロイトのあるミシガン州、その南のオハイオ州、インディアナ州には当時100を越す自動車メーカーが存在、技術力を競う場として全長2.5マイルの”四角い”コースが1909年に完成された。


 コースはバンクのついた4つのコーナーを長短2本ずつの直線で繋いだシンプルなレイアウト。先見の明を持つ小さなビジネスマンのグループが、純粋にスピードを追求した自動車レース専用のコースとして巨大なスピードウェイを建設したのだ。


 そして、1911年に当時としてはかなり過酷な500マイルという長距離レース開催が宣言されると44台が集まり、40台が決勝に出場。地元インディアナポリスで作られたマーモン・ワスプという7.82リッーター直6エンジン搭載マシンが6時間42分08秒をかけ、平均時速は74.602マイルで優勝を飾った。

1911年第1回インディ500を勝利したレイ・ハルーン


 自動車の進化と並行してインディを走るマシンのスピードもアップ。1960年代に入るとエンジンをコクピットの後ろに搭載したF1マシンが挑戦を開始。


 1965年にジム・クラークがミドシップエンジン車=ロータス・フォードでの初優勝。この時の優勝スピードは史上初めて150mphを越えた。また、フロントエンジン・マシン(=ワトソン/オッフィー)による優勝は前年の1964年のAJ.フォイトが最後となった。

1965年インディ500を制したジム・クラーク


 1977年、予選でインディカーは200mphの壁をついに突き破った。マクラーレン・コスワースに乗ったトム・スニーバが4ラップ連続で行う予選アタック中の1ラップで200.535mphを記録した。


 1990年、優勝スピードはついに180mphを超える。その高速レースを制したのはアリー・ルイエンダイク、マシンはローラ・シボレーだった。

1990年インディ500優勝ドライバーのアリー・ルイエンダイク


 世界一の歴史だけでなく、決勝日の観客動員数もインディは世界ナンバーワンだ。スピードウェイは観客数を公表しないため正確な数字はわかっていないが、1980〜90年代には40万人を越すと言われ、現在でも決勝日には30万人が集まっているようだ。


 インディは優勝賞金もビッグ。2009年のウイナー、エリオ・カストロネベスは史上最高となる300万ドル超の賞金を受け取った。2009年から優勝賞金は240万ドルを下回っていない。インディ500は今も残るアメリカン・ドリーム。最下位の33位フィニッシュでも20万ドル以上が支払われる。

2009年に3度目のインディ500優勝を果たしクルーと共にスパイダーマンパフォーマンスを披露するエリオ・カストロネベス


 昨年は佐藤琢磨が日本人ドライバーとしてインディ500初優勝を記録した。優勝賞金は2,458,129ドルだった。


■第102回インディ500の優勝候補は?


 マイケル・アンドレッティがオーナーのアンドレッティ・オートスポートからエントリーしたダラーラ・ホンダで優勝した琢磨だったが、今シーズンに向けてはボビー・レイホールがオーナーのレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングへと移籍。


 インディ500優勝チームを離れるのは珍しいケースだが、より戦いやすい環境、より強いチームを求めての決断で、インディ史上6人目となる二連覇を狙っている。最後にそれが記録されたのは2001-2002年のカストロネベスだ。3連覇はいまだ達成されていない。

インディ500連覇というさらなる偉業を目指す佐藤琢磨


 そのカストロネベスは、昨年限りでインディカーのレギュラー参戦ではなくなったものの、今年もインディ500にはスポットで参戦している。史上最多タイとなるインディ4勝目を目指してのことだ。4勝しているドライバーはAJ.フォイト、アル・アンサー、リック・メアーズの3人だけだ。


 今年の出場マシンはダラーラ・ホンダとダラーラ・シボレー。2005〜2011年はホンダが出場全車にエンジンを供給していたが、2012年にシボレーが復帰し、ロータスも参戦。

ロータスは2012年半ばにして撤退し、ホンダとシボレーの直接対決が今も続いている。シャシーは2012年からイタリアのダラーラによるワンメイクとなっている。


 日本の自動車メーカーで最初にインディ500優勝を飾ったのは、2003年のトヨタだった。ドライバーはジル・ド・フェラン、シャシーはパノスだ。そのトヨタも2005年で撤退した。


 2012年からのホンダとシボレーの2社対決ではシボレーが2勝、ホンダが4勝を挙げている。ホンダは2016年から2連勝中だ。


 今年のエントリーで優勝経験を持つのは前述のカストロネベスと琢磨のほかにスコット・ディクソン、トニー・カナーン、ライアン・ハンター-レイ、アレクサンダー・ロッシがいる。この6人は今年も優勝候補に数えられる。


 そして、彼らに挑み初勝利を狙えそうなのが、4回インディカー・チャンピオンになっているセバスチャン・ブルデー(デイル・コイン・レーシング)、スピードウェイでの速さに定評があるマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・オートスポート)、インディ500ポールポジションを2度獲得しているエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)、2014年チャンピオンでキャリア32勝のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、2016年チャンピオンのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー/シボレー)昨年度チャンピオンのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)といった面々だ。


 チーム・ペンスキーは史上最多の16勝をインディ500で挙げており、2001年からは3連勝を記録してもいる。彼らは2015年のファン・パブロ・モントーヤ以来優勝がない。あのレースでチームメイトに0.1046秒差で敗れて2位フィニッシュしたのはパワーだった。


 102回目のインディ500。アメリカンドリームを手に入れるのは果たしてどのドライバーか? 19、20日に予選、そして27日に決勝レースを迎える。


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