オークスは有力馬に懸念がチラリ。好走条件を満たす馬がズバリ、いる

5月18日(土)6時17分 Sportiva

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

“競馬の祭典”日本ダービーが次週に開催されます。早いもので、今年の春競馬もいよいよ佳境に入ってきましたね。

 その大一番を前にして、今週も注目のGI、3歳牝馬の頂点を決める優駿牝馬オークス(5月19日/東京・芝2400m)が行なわれます。

 日本ダービーと同じ東京・芝2400mで争われますが、牡馬と違って牝馬のトライアルレースは2000m戦が最長。ゆえに、出走馬のほとんどが初めて経験する距離となり、3歳春の時点ではまだまだ華奢な牝馬にとっては、非常にタフな舞台となります。

 そのため、大半の騎手は折り合いをつけて、なるべく体力を温存しようと心がけます。その結果、通常の2400mの競馬に比べて、タメにタメての直線だけの競馬になることが多いです。そんなこともあって、距離が800m延びても、桜花賞組の好走が目立つのだと思います。

 そうした傾向を踏まえて、今年は桜花賞馬が出走しませんが、それでもまずは桜花賞(4月7日/阪神・芝1600m)組に注視すべきでしょう。

 なかでも、2着と最先着しているシゲルピンクダイヤは有力な1頭です。その実績はもちろん、あの強烈な決め手は、東京コースでより大きな武器になると思います。

 ダイワメジャーの仔ということで、距離への懸念は確かにあるのですが、前述のとおり、マイラーでも好走できる要因があって、将来はともかく、今回に関してはそこまで心配しなくてもいいと思います。

 それよりも、気になるのは初の関東圏での競馬になること。つまり、長距離輸送をクリアできるかどうか、ということです。

 ただこれは、今さらどうこう言っても仕方がないこと。競走馬には当たり前にあることですからね。関西の牝馬だと、3歳春の段階ではそうした機会も少ないですし、初体験でも無難に克服してくれることを願うしかありません。

 その”東京コースを経験している”という意味では、桜花賞3着のクロノジェネシスのほうにアドバンテージがあります。しかも、今回が3回目。加えて、過去2回とも勝利を挙げています。経験もそうですが、コースとの相性がいいのは強調材料になりますね。

 不安があるとすれば、成長力でしょうか。先週のヴィクトリアマイルで、半姉のノームコアが古馬になってGI制覇を成し遂げましたが、父ハービンジャーがバゴに代わってどうなのか。前走の桜花賞が、デビュー以来最低体重だったことも少し気がかりです。

 桜花賞で4着だったダノンファンタジーにも、同じことが言えるかもしれません。1番人気に推されて、勝ったグランアレグリアを負かしにいったとはいえ、それまでの同馬のレース内容を考えれば、後ろから差されるシーンは想像し難いもの。それが、2頭の馬にあっさり交わされていますから、もしかすると早熟なのかも……という懸念が多少あります。

 これらの面々なら、別路線組のコントラチェックやラヴズオンリーユーに魅力を感じても不思議ではありません。ともにまだ底を見せておらず、大きな可能性を秘めている素質馬ですからね。

 ともあれ、これら2頭にも懸念材料があります。初の東京コースであること、そしてラヴズオンリーユーには初の長距離輸送という課題も加わります。先にも触れたとおり、輸送は仕方がないことですが、不安要素ではあります。

 まあでも、これらの懸念は過剰に心配しても仕方がないので、無事にクリアしてくれることを祈るだけ。馬券検討において、より注意を配るならば、当日の馬体重やパドックの雰囲気をチェックしてもらうのがいいかもしれませんね。

 さて、今年のオークスの「ヒモ穴馬」ですが、東京コースの経験があって、なおかつ東京コースに適した決め手があり、距離にも不安がない馬、トライアルのGIIフローラS(4月21日/東京・芝2000m)を快勝したウィクトーリアを取り上げたいと思います。


フローラSを勝ってオークスに挑むウィクトーリア

 そのフローラSでは、戦前に逃げ宣言を出していました。しかし、スタートでわずかに後手を踏んで、行くに行けなくなってしまいました。結果、鞍上の戸崎圭太騎手は腹をくくって後方からの競馬を選択しましたが、これが功を奏し、直線に入って外に出すと、鋭く伸びて見事な差し切り勝ちを収めました。

 これは、陣営としても、そして鞍上の戸崎騎手にとっても大きな誤算というか、思ってもみなかった大収穫になったと思います。

 やはり、逃げると目標にされるため、常に他馬からマークされる競馬を強いられてしまいます。でも、控える競馬ができれば、逆に有力馬をマークしながらレースを組み立てられますし、距離に対しての不安も払拭されますからね。

 トライアル戦を勝ちながら、意外と目立たない存在で、そこまで人気にならないと見ています。馬券に絡んでくれば、高配当をもたらしてくれるのではないでしょうか。

Sportiva

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