祝参戦100戦! ロニー・クインタレッリをニッサンドライバーたちが祝福
2018年5月19日(土)22時43分 AUTOSPORT web
5月19日、スーパーGT第3戦が行われている鈴鹿サーキットの公式予選終了後、MOTUL AUTECH GT-Rをドライブするロニー・クインタレッリのスーパーGT参戦100戦目を祝うセレモニーが行われた。
イタリア出身のクインタレッリは、レーシングカート界ではヨーロッパにその名を轟かせる存在だったが、ジュニアフォーミュラでは十分な体制に恵まれず、2002年に来日。2003年から全日本F3選手権に参戦し、04年にはチャンピオンを獲得した。
スーパーGTには2005年、トヨタ・チーム・サードから参戦を開始した。06年にはレギュラーシートに恵まれず、セルモからのスポット参戦のみ。07年にはクラフト、そして08年からはニッサン陣営に加わり、ハセミモータースポーツから参戦。横溝直輝と組み、ツインリンクもてぎで嬉しい初優勝を飾った。
10年にインパル、そして11年にモーラに加入すると、柳田真孝とのコンビ、ミシュランタイヤのパフォーマンスとともに大躍進。初めてのチャンピオンを獲得し、12年には前人未踏のシリーズ連覇を達成。またニスモに移籍してからは2014年、15年とふたたび連覇を達成し、通算四度という最多チャンピオン記録を誇っている。
また、これまでキャリア14勝。なんとニスモ調べでは、GT-Rでの表彰台獲得率は34%を誇るという。そして速さだけではなく、日本語を流暢に操り日本を愛し、クインタレッリもまた誰からも愛される存在だ。
そんなクインタレッリが、今回の第3戦鈴鹿で参戦100戦目を迎えることになった。予選後のキッズピットウォークでファンにサインをしていたクインタレッリの後方からニッサンドライバーたちが近づき、ジョアオ-パオロ・デ・オリベイラが「ロニーの100戦のお祝いだよ」と伝えると、「えっ!? 僕のお祝い?」と驚きの表情を浮かべた。
実はクインタレッリは、自分では「今年の最終戦のもてぎだと思っていたんです。この100戦の記録はJAF Grand Prixも含んでいたんですね」と驚きながらも笑顔。花束を渡され、ニッサンドライバーたちと写真に収まった。
「来日していた頃は、スーパーGTはテレビで観ていたんです。スーパースターたちが戦っていて、いつか自分も出たいと思っていました。そこからあっという間で、14年間の間にたくさんの素晴らしい思い出がありますし、チャンピオンも4回も獲れた」とクインタレッリ。
「本当に日本に来て良かったと思いますし、今日のお祝いも嬉しかったです」
そんなクインタレッリにとって、キャリアのなかでの思い出は「2015年にチャンピオンを獲ったことも大切な思い出だし、2011年、初めてチャンピオンを獲ったこともいい思い出です」という。
「マー(柳田)と一緒に、最終戦のもてぎで当時ライバルだったニスモと争って、初めてチャンピオンを獲れた。それにその年は、東日本大震災がありましたよね。レースができるかできないかも分からなかったし、本当に3月、4月は大変でした」
「イタリアに帰ることよりも、日本の皆さんと一緒に戦って、日本に恩返ししたいと思いました。そういう意味では2011年はすごくスペシャルな年でしたね。初めてGT500を戦うモーラと一緒にチャンピオンを獲れたのも嬉しかった」
次なる目標は「まだまだ元気でスーパーGTで戦いたいですし、次の目標は5回目のチャンピオンですね」とクインタレッリ。
「今日の予選は良くなかったけど、さっき観たらMOTUL AUTECH GT-Rはチームのみんなが仕上げてくれてキラキラ輝いていた。昨年から全戦ポイントを続けているので、チャンピオンのためにもポイントを獲りたい」と笑顔で語ってくれた。