圧倒ぶりを示す「.085」 元阪神スアレスがMLBで飛躍する背景にある日本での日々「僕にとって最善の道だと思った」

2024年5月19日(日)7時0分 ココカラネクスト

パドレスの絶対的守護神として君臨するスアレス。(C)Getty Images

 NPBで研鑽を積んだ剛腕は衰え知らず。いまやメジャーリーグでも屈指の守護神に成長を遂げている。パドレスのロベルト・スアレスだ。

 33歳の剛腕がいかに図抜けた存在なのかは、結果が如実に物語る。ここまで18試合に登板して2勝0敗12セーブ、防御率0.47、WHIP0.67。さらに被打率.141。ほとんど打たれていないのである。

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 老いてなお意気軒昂のスアレス。世界最高峰と言われる舞台で飛躍を遂げてきた。ソフトバンクを経て、2020年に阪神に加入すると、守護神として2年連続で最多セーブ王となった男は、2021年オフに虎党たちに惜しまれながらもパドレスに移籍。2022年オフには5年4600万ドル(約70億4000万円)という中継ぎ投手としては破格の契約を結んだ。

 快進撃の背景には、日本で続けた挑戦の日々がある。2015年に鳴り物入りでソフトバンクに入団してからの約6年間を本人は、米紙『San Diego Union Tribun』のインタビューで「自分に与えられたチャンスを考えると、あの時の僕には(日本行きが)最善の道だと思った。だからアメリカに行く前に滞在したんだ」と振り返っている。

 瞬く間にスターダムをのし上がった。今季は開幕前にクローザーが決まっていなかったチーム事情の中で、熾烈な定位置争いに勝利。勝利の方程式の一角を担っている。

 とりわけ圧巻なのは、阪神時代から質にこだわり、磨き上げてきた4シームだ。4月3日から22日(現地時間)にかけ、79球連続で投じて相手打者を圧倒。今季ここまでの被打率はわずかに.085と驚異の値を残している。

 まさにねじ伏せる投球を見せつけるスアレスには、女房役の名手も舌を巻く。カイル・ヒガシオカは、米紙『New York Times』で「スアレスはかなりの努力家だ」と絶賛。そして、卓越した投手力に脱帽している。

「初めてブルペンで彼のボールを捕ったとき、その制球力に驚いたんだ。ほぼピンポイントにボールが来ていたんだよ。平均球速が100マイル(約160.9キロ)前後を投げる投手にとって、あのコントロールはかなり特別なものだね」

 アメリカンドリームを掴んだスアレスの躍動は、名門パドレスにおいて重要度を増している。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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