パリ五輪の「OA枠」は誰が適任か?識者が推薦する「3人」とその「メリット」

2024年5月19日(日)15時39分 ココカラネクスト

本番までにチームを”再構築”する大岩ジャパン。OA枠は大きな注目点のひとつだ(C)Getty Images

 7月24日に初戦が行われるパリ五輪・サッカー男子への出場が決まった、日本代表。先月の4月に行われたアジア予選とは異なり、本大会は欧州クラブから招集できる選手が増える期待があり、逆にJリーグはシーズンの佳境に入っていくため、1クラブ3名の上限が2名に減る。つまり、招集可能リスト自体が変わるため、大岩剛監督はU−23アジアカップで優勝を果たしたチームを、一度リセットし、再構成する必要に迫られている。

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 また、U−23世代のリストに加え、本大会のもう一つの変更点は、年齢制限を受けないオーバーエイジ枠を3名まで追加できることだ。アトランタ五輪から東京五輪まで、日本は7大会連続で五輪に出場しているが、オーバーエイジ枠を使わなかったアトランタ、北京、さらにA代表の主力を避けて招集したリオは、すべてグループステージで敗退した事実がある。

 逆にA代表の主力からオーバーエイジを招集した東京、ロンドン、シドニーでは決勝ラウンドへ勝ち進んでいるので、メダルを目指すなら、やはりオーバーエイジは重要なポイントだ。

 では、具体的に誰を選ぶべきか? 1枠はほぼ確定と言ってもいいのではないか。

 ベスト4まで進んだ東京とロンドン、ベスト8のシドニー。この3大会には共通点がある。オーバーエイジにA代表のディフェンスリーダーを招集したことだ。シドニーは森岡隆三、ロンドンと東京は吉田麻也を招集し、守備に柱を通した。この成功例に倣うなら、今回も1枠は板倉滉か冨安健洋、あるいはその両方が希望的候補だ。

 元よりパリ世代のCBは、人材難が指摘されてきた。U−23アジアカップで見せたパフォーマンスで、高井幸大はかなりの安定感と、その先も通じそうな余白が感じられたが、彼以外はどうか。CKの得点など木村誠二の活躍によって出場権を取れたのは確かだが、1対1の対処、ビルドアップ、サイドの守備連係など綻びも多く、アジア予選でギリギリという印象だった。本大会のスタメンには推しづらい。CBのオーバーエイジは少なくとも1枚は必要だろう。

 残る2枠はどうするか。GKは小久保玲央ブライアンと鈴木彩艶がいれば、OKだろう。小久保はこの世代の精神的支柱としても重要だ。ロンドン五輪ではバックアップに林彰洋が指名されたが、基本的にはアテネ五輪の曽ヶ端準以来、本登録にオーバーエイジのGKは使っていない。パリ五輪も小久保と鈴木で問題ないだろう。

 一方、少し気になるポジションは左SBだ。大畑歩夢は予選で大きく評価を高めたが、昨季に最少失点を誇った浦和でほとんど出場機会が訪れなかったように、彼の起用は敵陣での魅力と引き換えに、自陣でのリスクを内包する。ビルドアップ中に股抜きを仕掛けたり、クリアが危うかったり、木村を含めてサイドでの守備連係が拙かったり、危ういタックルに行ったりと、プレーに信頼感が足りない。和製マルセロ感のある大畑のスタメンは、対戦相手に狙われる恐れがある。個人的には不安だ。伊藤洋輝や町田浩樹に声をかけ、高さを含めて左SBを補強し、DFラインの隙を無くしたいところ。

 ただ、これで2枠を使ってしまうと、残りは1枠しかない。中盤か、前線か。

 久保建英、斉藤光毅、三戸舜介らを呼べるか否かにも左右されるが、出来れば、伊東純也、三笘薫、上田綺世辺りから誰か一人を呼びたいところ。A代表でも彼らがいるといないでは大違いであるし、三笘は怪我からの復帰次第だが、彼や伊東はピッチにいるだけで対戦相手に畏怖を抱かせる。また、パリ世代は平河悠や山田楓喜など精度の高いクロッサーが多いので、ゴール前で競り勝てる上田を呼ぶ意味は大きいのではないか。前線のどこかに、もう一つ突き抜けた個が欲しい、というのが総論だ。

 その場合は中盤にオーバーエイジを使えなくなるが、藤田譲瑠チマ、松木玖生、荒木遼太郎、さらに抜群のフィニッシュを誇る鈴木唯人。彼らと山本理仁や川崎颯太、田中聡を含め、中盤の候補はアベレージが高いので、U−23世代で固めてもいい。

 すべては誰を招集できるのか、それ次第なので、皮算用には違いない。ただ、U−23アジアカップを通して、CBと左SB、前線は戦力アップが欲しいと感じた。必然、これらのポジションはオーバーエイジの候補になるのではないか。

[文:清水英斗]

ココカラネクスト

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