早大のプロ注目右腕・伊藤樹 東京六大学で令和初のノーノー達成!「丁寧に投げることを最優先した結果」
2025年5月19日(月)13時13分 スポーツニッポン
◇東京六大学野球春季リーグ戦 第6週第2日 早大1—0明大(2025年5月19日 神宮)
節目の100周年を迎えた東京六大学野球リーグで26度目のノーヒットノーランが達成された。早大のプロ注目右腕・伊藤樹投手(4年=仙台育英)が明大戦に先発し、11三振を奪う好投で大記録を達成。同リーグでは2016年の加藤拓也(慶大)が東大戦で記録して以来、9年ぶりで「令和」となってからは初めての快挙となった。
伊藤は前回登板の立大戦では3回8失点と炎上していたが、この日は強打の明大打線に対し、140キロ後半の直球を軸に、粘り強くスコアボードに「0」を並べた。
9回2死からは左翼フェンス際に大飛球を放たれたが、左翼の寺尾拳聖(4年=佐久長聖)がフェンスにぶつかりながら好捕。0—0で迎えた9回無死二、三塁、好守を見せた4番・寺尾が左翼線にサヨナラ打を放ち、伊藤のノーヒットノーランを完成させた。右腕は「フォアボールやデッドボールが重なってしまいましたが、いつも通り丁寧に投げることを最優先した結果だと思います」と笑顔だった。
早大で無安打無得点を記録したのは、東大を相手に完全試合を達成した13年の高梨雄平以来、12年ぶり。明大がノーヒットノーランを喫するのはリーグ史上初めてのこととなった。
小宮山悟監督は、0—0の8回に無死一塁で伊藤樹に打席が回ってきた際は代打を送らず続投を決断。早大での選手時代は20勝を挙げた指揮官は「野手の監督だと分からないけど僕はピッチャー。ノーヒットノーランを続けてる選手を変えるなんて、僕はいけないと思っていた。ヒットを打たれたら変えるつもりではいましたけれど、継続してるうちは、その大記録は全員で何とかしてあげようっていうのは当たり前の話だと思います」と振り返った。
▼ソフトバンク・宮田善久スカウト 左打者へのチェンジアップが絶品ですね。
▼ロッテ・榎康弘アマスカウトディレクター 真っすぐ、フォーク、チェンジアップともにコントロールができ、緩急も駆使できる。ゲームメークができ、勝てる投手です。負けられない試合で結果を残しましたね。
◇伊藤 樹(いとう・たつき)2003年(平15)8月24日生まれ、秋田県出身の21歳。仙台育英(宮城)では1年夏、3年春に甲子園出場。早大では1年春にリーグ戦デビューし、3年夏に大学日本代表に選出。リーグ通算47試合で14勝3敗、防御率1・72。1メートル76、78キロ。右投げ右打ち。