F1第5戦水曜会見(2):ルクレール、3度目の母国レースへ「今年はQ3に進めない理由はないと信じている」

2021年5月20日(木)18時26分 AUTOSPORT web

 現役モナコ人ドライバーは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)ひとりしかいない。その才能は誰もが認めるところだが、F1デビュー後2度挑戦したモナコGPはいずれもリタイアと、相性はあまり良くない。さらに予選では、まだ1度もQ3に進んだことがない。チームメイトのカルロス・サインツとともに出席したルクレールは、司会者にそれを指摘されると、「楽しい事実を思い出させてくれてありがとう」と苦笑した。


「2018年はかなり近いところまで行ったけど届かなかった。そして2019年は、戦略ミスの犠牲になってしまった。でも今年はQ3に進めない理由はないと信じているよ」

2019年F1第6戦モナコGP 右リヤタイヤのパンクでマシンに大きなダメージを負ったシャルル・ルクレール


 前戦スペインGPが行われたカタロニア・サーキットのセクター3は、モナコを占うのに絶好の区間と言われている。そしてフェラーリは、この低速区間で速かった。しかしルクレールは、「そんなに単純な話じゃない」という。


 残念ながら、そうとも言えない。バルセロナではタイヤの持ちが良くて、それで結果的に最終区間で速さを見せられた。モナコも自動的に速いわけじゃないんだ」


 サインツも決して楽観的ではない。


「まだトップ2強と戦えるレベルじゃない。スペインと同様、マクラーレンと互角の速さを見せて、同じぐらいの結果が出せたら満足かな」


 直近のライバルであるマクラーレンとは、現在わずか5ポイント差。両方のクルマを運転した経験があるサインツに、「それぞれの違いは? 長所短所はありますか」という質問が飛んだ。


「もちろんわかってるし、チームとも共有してる。具体的に何かは、もちろんあなた方にはナイショだけどね(笑)。とにかくすごく違ってて、あらゆるコーナーの挙動が違う。なので今の僕は、まだ適応途中だ。メルセデスを積んだ今年のマクラーレンは、さらに強くなっている印象だね」

2021年F1第5戦モナコGP シャルル・ルクレール&カルロス・サインツJr.(フェラーリ)


 フランス人ドライバーは歴史的に市街地サーキットを得意とする。常設サーキットが早くから整備されたイギリスやイタリアに比べ、レースといえば市街地という伝統ゆえか。モナコGP勝者もこれまでモーリス・トランティニアン、ジャン-ピエール・ベルトワーズ、パトリック・ドゥパイエ、アラン・プロスト、オリビエ・パニスの5人を数える(最後のパニスから、すでに25年も経つのだが)。


 エステバン・オコン(アルピーヌ)とともに出席したピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)は、レッドブル時代の2019年には予選5番手、レースでは最速タイムを叩き出している。モナコの勝利に最も近い現役フランス人と言えるだろう。「モナコを速く走る秘訣は?」と訊かれて、ガスリーはこう答えた。


「いいクルマに乗ることはもちろんだけど、モナコの場合はその限界をいかに見極められるかだね。一番柔らかいC5タイヤでも、滑りまくる。その状態でガードレールまで数cmまで近づくには、クルマを信頼することが絶対条件だ。そして木曜のフリー走行から土曜の予選、さらにそこから日曜まで、路面コンディションは激変し続ける。その変化にいかに適応できるかも、モナコ攻略のカギだね。モナコはF1ドライバーにとって間違いなく、最高のチャレンジだよ」

2021年F1第5戦モナコGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)


 今季20人のドライバー中、カテゴリーを問わずモナコを1度も経験していないのは角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)ただひとりである。チームメイトのこのアドバイスは、角田選手の胸にしっかり届いているだろうか。


 ちなみに大ベテランのキミ・ライコネン(アルファロメオ)は、今季デビューしたルーキーたちにこんなアドバイスを与えている


「とにかくコース上にとどまること、そして何よりクルマを壊さないことだ。モナコでフリー走行を十分走れないことは、特にセッション時間が短くなった今年は致命的になる」


 元々滑舌のよろしくないキミの喋りは、マスクのせいでいっそう聞き取りにくい。それでもルーキーに与えるアドバイスとしては、しごく真っ当なものであった。

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