WEC:ハイパーカー規定でLMP2カーはスピードダウン? チーム代表は性能維持を期待

5月21日(火)14時47分 AUTOSPORT web

 WEC世界耐久選手権LMP2クラスに参戦しているTDSレーシングのグザビエ・コンベ代表は、LMP2クラスの“精神にのっとって“、ACOフランス西部自動車クラブが同クラスのパフォーマンスを維持することを期待している。


 日本でも活躍したアウディのDTMドライバー、ロイック・デュバルを擁すTDSレーシングのコンベ氏は、現行のトップカテゴリーであるLMP1に代わる新車両規定によって、その下位カテゴリーとなるLMP2クラスのマシンが現在よりも遅いものとなった場合、同クラスにエントリーしているチームは失望することになると述べた。


 2020/2021年に向けて提案されている“ハイパーカー規定”は当初、ル・マン1周3分20秒という目標レースラップタイムが定められていたが、後に生産車ベースの車両を許可するにあたって目標ラップタイムが修正。現在は3分30秒とされている。


 一方、2018年のル・マン24時間におけるLMP2カーの最速レースラップは、ナタナエル・ベルトンがドラゴンスピードの31号車オレカ07・ギブソンでマークした3分27秒200だった。


 2017年から4年の期限で導入された現行LMP2規定は、2020/21年シーズンで一度期限切れとなる予定であり、少なくとも1シーズンはハイパーカー規定と並存することになる。


■「LMP2クラスは現在と同じレベルを維持することになると聞いている」とコンベ


 コンベが代表を務めるTDSレーシングは、ACOが統括するLMP2クラスに2011年から参戦している。彼は、レギュレーションを作る者たちは新カテゴリーの規定を定義する際、LMP2クラスを考慮する必要があると語った。


「ACOがLMP2とハイパーカーの間の差について、どう対処するのかは興味深いところだ」とコンベは述べる。


「まだ時期尚早かもしれないが、LMP2クラスは現在と同じレベルを維持することになると聞いている。彼らが(目標ラップタイムについて)言及したことを考えれば、それは不可能だとも想像できるがね」


「現行LMP2スペックの直前には、異なるスペックが存在した。彼らは当時、パフォーマンスを上げたいと言っていた」


「そこで(このクラスに参加する者は)誰もが新しいマシンを購入した。スピードが改善され、当然ラップタイムを向上することになったオレカ07やリジェJS P217などだ」


「我々は多くの投資を行ったのだ。だからこそ、彼らがそのことを留意するよう望んでいる」


■LMP2カーのパフォーマンスが抑えられれば、他クラスにも影響が広がることは必至か


レーシングチーム・ネダーランドの29号車ダラーラP217・ギブソン
レーシングチーム・ネダーランドの29号車ダラーラP217・ギブソン

 またコンベは、LMP2クラスのパフォーマンスを落とした場合、LM-GTEクラスおよび、WECを超えて拡大している他のル・マン・シリーズやスポーツカーレースへの波及効果は避けられないと示唆した。


「もし、彼らがWECでLMP2クラスのスピードを全体的に落としたら、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(やAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズ)のLMP2クラスのスピードも落とさなければならなくなるだろう」


「そうした場合、彼らは“LMPピラミッド”の下層にあるLMP3クラスに対して何をすることになるのだろうか」


「GTEクラスも同様だ。我々は過去にGTEマシンがトップスピードでLMP2マシンに迫ったことを覚えている。ACOはこの問題を解決するためにLMP2クラスのトップスピードを向上させなければならなかったのだ」


「正直なところ、対処が簡単ではないことは想像できる」


「彼らが間違ったことをしているとは言っていない。だが私としては、LMP2クラスが同程度のパフォーマンスを維持することを期待しているのだ。それはLMP2クラスのレーススピリッツにとっても非常に重要なのだから」


■コンストラクターのオレカとリジェも、現行規定の継続を希望


 コンベはまた、LMP2マシンのパフォーマンスを落とすことは、同カテゴリーのスピードを向上させるため、2017年規定に向けて行われた作業の多くを無駄にしてしまうと付け加えた。


 4種類のシャシータイプと、ギブソン製V8自然吸気エンジンからなる現在のコスト削減方式が導入されてから、ル・マンでのLMP2クラスのラップタイムは2016年から2017年にかけて8秒も短縮された。


 4社の指定シャシーマニュファクチャラーのうち、オレカとリジェの代表もまた、前々から2021年/22年のLMP2規定を安定させるよう主張している。


 2017年にジャッキー・チェン・DCレーシングが、優勝したポルシェに次ぐ総合2位と3位を獲得したことを例に上げたコンベは「我々LMP2チームはル・マンでメインの表彰台に登ることができるだろう」と語った。


「誰かにコース上を速く走れるように頼むのはつねに難しいことだ。反対にスピードを落とさざるを得ないことはよくあるがね」


「我々はレースを行っているのであり、よりいっそう速くなりたいのだ!」


「もし、我々がスピードを落とさなければならないと言うのなら、スポーツ面と商業面において失望することになるだろう」


「我々は改善のために投資を行ったのだから、WECはLMP2カーのスピードを維持するべきなんだ」

ラルブル・コンペティションの50号車リジェJS P217・ギブソン
ラルブル・コンペティションの50号車リジェJS P217・ギブソン
TDSレーシングの28号車オレカ07・ギブソン
TDSレーシングの28号車オレカ07・ギブソン


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