ホンダF1田辺TD初日会見:市街地コースへの準備を重ね「完全トラブルフリー」の1日。データを見直し予選へ臨む

2021年5月21日(金)16時10分 AUTOSPORT web

 2021年F1第5戦モナコGPの初日フリー走行1回目では、レッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスが移籍後初のセッショントップタイムを記録し、マックス・フェルスタッペンも3番手、そしてアルファタウリ・ホンダもピエール・ガスリーが4番手、モナコ初体験の角田裕毅も9番手と、ホンダパワーユニット全4台がトップ10に入る速さを見せた。


 フリー走行2回目では角田がガードレールにヒット、それ以降の周回ができなくなるモナコの洗礼を早々に受けてしまう。ほかの3台はフリー走行1回目に続いてトップ10内に入ったものの、「重要な予選に向けて、詰めるべきところはまだまだ多い」というのが、ホンダF1田辺豊治テクニカルディレクターの認識だった。


 ちなみに第2戦エミリア・ロマーニャGPの予選でクラッシュした角田のパワーユニットに関して、田辺テクニカルディレクターは「全部大丈夫で、元気に走っている」ことを明らかにした。


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──2年ぶりとなるモナコGPの初日フリー走行でした。


田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):はい。パワーユニット側は、完全にトラブルフリーで1日を終えられました。久しぶりのモナコで、今年の新世代パワーユニットを走らせるのは初めてのことだったわけですが、市街地コース特有の特性に合わせた準備を重ねて初日フリー走行に臨みました。


 フリー走行1回目では4台がトップ10、フリー走行2回目は残念ながら角田選手がガードレールに前後輪をヒットさせ、その後の走行ができませんでしたが、ほかの3台はトップ10入りを果たしました。


 マシンパッケージはまだまだ詰めていく余地がありますし、ドライバーからもいろいろなコメントをもらっています。金曜日はモナコ独特のスケジュールで1日空きますので、そこで十分対処するつもりです。


──今日から明日にかけて、いつもの週末より1日多いわけですが、具体的にどんな作業をするのでしょうか。


田辺TD:いつもなら初日終了後に打ち合わせをして、すぐに翌日の予選に臨むわけですが、今週末はさらに1日かけてデータを見直します。


──パワーユニット側もいつも以上の確認ができてハッピーですか。それとも作業が増え、大変なことの方が多いのでしょうか。


田辺TD:ハッピーですよ。時間はいくらあっても足りないというか、やるべきことは尽きませんので。時間を使えるだけ使って、十分に準備して予選、レースに向かいたいです。

2021年F1第5戦モナコGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)


──今日の角田選手の接触はさすがにパワーユニットへのダメージはないと思いますが、第2戦エミリア・ロマーニャGPの予選でクラッシュした際に搭載されていたパワーユニットは、その後どうなりましたか。


田辺TD:元気に走っています。


──ICE(エンジン本体)も、すべて無事だったのですか?


田辺TD:はい。フルセット全部大丈夫で、ここ数戦を走っています。


──コロナ禍で最初に行われる市街地レースになりますが、ホテルとサーキットの往復、サーキット内の行動など、今まで以上に大変な部分はありますか。


田辺TD:我々のホテルはサーキットまで徒歩15分から20分で、途中はショッピング街など、人が集まるところを通過します。そこはなるべく立ち止まらず、ほかの人との距離を開けて歩いています。


 ただ、モナコは歩道が狭いところもあるので気を使いますね。パドックに入ってしまえば、いつもと同じです。通常より密度はやや高いですが、メンバーは全員PCR検査で陰性が出た人たちというのがわかっています。


 ちなみに、チームのメンバーはF1で働いていることを証明する書類を携行して外を歩くことになっています。その書類があれば外出禁止時間をオーバーしても大丈夫なので、遅くまで作業しても問題なくホテルに帰ることができます(注:フランス側の夜間外出禁止時間は19日時点で21時から)。

2021年F1第5戦モナコGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第5戦モナコGP セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第5戦モナコGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第5戦モナコGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

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